セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍5)

タイトル 消P-216:

高齢者の胆膵領域の進行癌に対する治療成績

演者 三浦 由雄(市立伊丹病院)
共同演者 大内 祥平(市立伊丹病院), 小山 秀和(市立伊丹病院), 山口 典高(市立伊丹病院), 荻山 秀治(市立伊丹病院), 堀木 優志(市立伊丹病院), 佐野村 珠奈(市立伊丹病院), 佐治 雪子(市立伊丹病院), 村山 洋子(市立伊丹病院), 筒井 秀作(市立伊丹病院)
抄録 高齢化社会が到来し高齢者に対する癌治療の必要性が増しているが,中期・後期高齢者に対する癌治療のエビデンスは乏しい.また,胆膵領域の進行癌は胆道ドレナージ下の化学療法など集学的治療を要することが多い.今回当院における中期・後期高齢者の胆膵領域の癌に対する集学的治療成績を明らかにする目的で以下の検討を行った.対象と方法:平成20年1月から平成24年8月までに当院で胆道癌・膵癌と診断された86名のうち当院で化学療法またはBSCを行った71名(平均年齢75.2歳,男:女=29:42)を前期高齢者より若年群(74歳未満:A群),中期高齢者群(75歳から84歳:B群)と後期高齢者群(85歳以上:C群)に分け,診断時のステージ,集学的治療の内訳,予後につきレトロスペクティブに検討した.結果:A群は31名,B群28名,C群10名で中期・後期高齢者が対象の半数以上を占めた.診断時のステージ(I,II,III,IVa,IVb)はA群(2,0,1,3,25),B群(3,4,6,4,11),C群(1,0,0,3,6)であった.治療方法(化学療法:BSC)の選択はA群(16:15),B群(10:18),C群(1:9)で高齢群ほどBSCの割合が増加した.また,A群,B群,C群の生存期間中央値(MST)は197日,243日,128日でC群の予後が他群に比べ有為に短かった.A群,B群ともに化学療法群のMSTがBSC群に比べ良好であった.また,閉塞性横断に対しドレナージ施行群,非施行群のMSTは310日,190日でドレナージ群の予後が優位に良好であった.一方,A群の化学療法群,BSC群のMSTは273日,145日でB群の456日,203日と比べ有為な差は認めず,B群における化学療法の成績はA群と同等であった.結論:化学療法が施行された中期高齢者群の予後は非高齢者・前期高齢者群と比べ遜色なく,集学的治療が生存期間の延長に寄与すると考えられた.
索引用語 膵癌, 高齢者