セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍5)

タイトル 消P-219:

局所進行膵癌に対するS1併用術前化学放射線療法の成績

演者 土井 晋平(岐阜大・1内科)
共同演者 安田 一朗(岐阜大・1内科), 森脇 久隆(岐阜大・1内科), 岩下 拓司(岐阜大・1内科), 上村 真也(岐阜大・1内科), 馬淵 正敏(岐阜大・1内科), 長田 真二(岐阜大・腫瘍外科), 佐々木 義之(岐阜大・腫瘍外科), 今井 寿(岐阜大・腫瘍外科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科), 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 山内 貴裕(岐阜県総合医療センター・消化器内科)
抄録 【目的】局所進行膵癌に対するS1併用術前化学放射線療法の治療成績について報告する.【対象・方法】局所進行膵癌のうち門脈系への浸潤もしくは動脈系への1/4周未満の接触を認めるものを適格症例の基準とした.術前治療として放射線療法(1.8Gy)をWeekdayのみ合計22回(Total 39.6Gy)行い,照射日に合わせてS-1(80mg/m2)の内服を行った.4週間のインターバル後に再評価を行い,効果がSD以上であれば切除を行い,PDであれば非切除とした.切除後はS-1(80mg/m2)による維持療法を行った.【結果】2009年9月より2012年9月までの期間において登録された症例は35例.登録の内訳は男性19例・女性16例,年齢49-81(中央値67)歳.病変部位は頭部24例,体尾部11例.術前療法は35例中31例(94.3%)で完遂出来た.術前療法のResponseはPR1例・SD19例・PD15例.治療認めた有害事象(Grade3以上)は血液毒性では白血球減少を1例(4%)のみに認めた.非血液毒性としては嘔気,嘔吐,全身倦怠感をそれぞれ2例に(8%)認めた.治療が完遂出来た症例のうち20例(64.5%)でSD以上の効果が得られた.これら全例が切除対象となり,16例(80%)でR0切除が可能であった.R0切除症例の中央生存期間は31.4ヶ月であり,それ以外の症例(非切除+R1切除症例)における10.9ヶ月に対して有意差を認めた(p<0.001).現在まで確認出来たR0切除後の再発は5例(肝転移3例/腹膜播種1例/リンパ節転移1例)だった.【結語】S-1を用いた術前化学放射線療法は高い認容性が特徴的と考えられた.R0切除後の遠隔成績は良好であり,高い局所制御能が示唆された.
索引用語 膵癌, S1