セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(IPMN1)

タイトル 消P-223:

IPMN新コンセンサス診療ガイドラインの検証

演者 毛利 輝生(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 佐々木 民人(広島大病院・消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 南 智之(広島大病院・消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大病院・消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大病院・消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大病院・消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大病院・消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大病院・消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大病院・消化器・代謝内科), 壷井 智史(広島大病院・消化器・代謝内科), 清水 晃典(広島大病院・消化器・代謝内科), 村上 義昭(広島大病院・消化器外科), 有廣 光司(広島大病院・病理部), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】これまで我々は,病変の主座により主膵管型と分枝型に形態分類を行い,主膵管型あるいは分枝型での嚢胞内結節や主膵管拡張を悪性所見とし治療方針を決定してきた.今回ガイドラインの改定に伴い,新たな形態分類,手術適応基準の妥当性について検討した.【方法】対象は当科で診療したIPMN200症例である.新ガイドラインで提唱されている形態分類,手術適応基準である“造影効果を有する結節”の有無について症例の見直しを行い,悪性度診断における有用性をretrospectiveに検討した.【結果】症例の内訳は,主膵管型が27例(手術例20例;浸潤癌2例,腺腫18例),分枝型が173例(手術例39例;浸潤癌10例,腺腫29例)だった.主膵管型症例の浸潤癌はいずれも主膵管径10mm以上であり,主膵管径が5~9mmの症例では浸潤癌は認めなかった.新ガイドラインで提唱されている混合型と分枝型に分類すると,混合型は51例であり,そのうち浸潤癌は6例(11.8%)だった.一方分枝型は135例であり,そのうち浸潤癌は5例(3.7%)であり,混合型に比べ低率であった.経過観察中に病変の進行を認め外科的手術を行った症例は,混合型では25例中の8例(32.0%)であり,分枝型95例中6例(6.3%)にくらべ高率であった.浸潤癌12例のうち“造影効果のある結節”は8例であり,感度は66.7%だった.“造影効果のある結節”を認めなかった浸潤癌4例のうち3例はT1浸潤癌だった.【結語】主膵管径10mm以上のhigh-risk stigmataを設定することにより,主膵管型においても経過観察を含めた治療方針の選択が可能であり,新たに“混合型”“分枝型”を定義することで,悪性化のリスクに応じて診療を行う必要性が示唆された.しかしT1浸潤癌を“造影効果を有する結節”で診断するには限界があり,他のモダリティを含めた診断が必要である.
索引用語 IPMN, high-risk stigmata