セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(IPMN1)

タイトル 消P-229:

IPMNに対する当院の手術時期と経過観察の判断

演者 増田 作栄(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター)
共同演者 所 晋之助(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 魚嶋 晴紀(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 小泉 一也(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 金原 猛(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター), 賀古 眞(湘南鎌倉総合病院・肝胆膵疾患治療センター)
抄録 【諸言】IPMNは本邦で初めて報告され,画像診断技術の亢進などによりその発見数も増加している.悪性化する場合があるため問題となっているが,IPMNに対する手術時期や経過観察を判断する十分な文献やエビデンスは未だない.今回は,過去3年間に当院紹介となった75症例について報告する.【症例】症例は33歳から87歳までの75例であり,平均年齢は70.23歳であった.女性が47例,男性が28例であった.国際診療ガイドラインの通りに分類し,分枝膵管型71例,混合型2例,主膵管型2例であった.局在は,頭部17例,頭体部8例,頭尾部5例,体部16例,体尾部5例,尾部6例,膵全体に多発しているものが18例であった.主膵管型の2例はとも壁在結節を認めなかったが手術を施行した.1例は手術前に有症状であったが病理結果は腺腫であり,もう1例は無症状であったが病理結果は浸潤癌であった.2例ともに2年以上再発なく生存している.分枝膵管型では,壁在結節は認めないものの主膵管が7mmに拡張し有症状であった1例を手術し,病理結果は非浸潤癌であった.この症例も2年以上再発なく生存している.経過観察可能と判断した症例は無症状で主膵管の拡張がないものとし,また国際診療ガイドラインの手術推奨基準のうち,嚢胞が30mm以上のみ満たす症例は経過観察としている.経過観察の期間は,国際診療ガイドラインの手術推奨項目を満たすものは3か月とし,それ以外は基本的に6か月とした.経過観察にはCT,MRI,PETを組み合わせて行う方針としている.経過観察症例において,悪性化を示す所見が出現した症例は未だない.【結果】当院では,国際診療ガイドラインの手術推奨項目のうち,嚢胞径拡大のみ満たす症例以外は基本的に手術を勧め,それ以外は経過観察としているが,ガイドラインに沿う事で各症例で経過は良好である.
索引用語 IPMN, 経過観察