セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(IPMN2)

タイトル 消P-234:

MUC染色による混合型IPMNにおけるhigh risk群の抽出~International consensus guideline 2012を踏まえて~

演者 竹中 完(神戸大・消化器内科)
共同演者 松木 信之(神戸大・消化器内科), 塩見 英之(神戸大・消化器内科), 増田 充弘(神戸大・消化器内科), 有坂 好史(神戸大・消化器内科), 久津見 弘(神戸大・消化器内科), 早雲 孝信(神戸大・消化器内科), 東 健(神戸大・消化器内科), 松本 逸平(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 具 英成(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 原 重雄(神戸大附属病院・病理診断科), 伊藤 智雄(神戸大附属病院・病理診断科)
抄録 [背景・目的]IPMNでは形態学的,病理組織学的な診断により,主膵管型の多くはMUC2陽性のintestinal typeが多く,carcinoma in situやinvasive carcinomaなどの悪性群の頻度が高いとされ,分枝型は MUC2陰性でgastric type が多く,悪性群の頻度は低いとされている.一方で混合型については定義・取り扱いが未だcontroversialであり,多様な病理組織像を持った群が混在していると推測される.今回粘液形質の観点から混合型IPMNを再検討し,混合型におけるhigh risk群の抽出を目的とした.[方法]2001年4月から2012年10月までに当院で手術が行われたIPMN症例101例を対象とした.分枝型に合併した通常型膵癌症例は対象から除外した.International consensus guideline 2012に則り主膵管型は主膵管径5mm以上で分枝5mm未満(16例),分枝型は主膵管径5mm未満で分枝拡張5mm以上(40例),混合型は主膵管径および分枝拡張いずれも5mm以上(45例)と定義した.全例に対してHE染色と粘液染色(MUC1,2,5AC,6)を行った.[結果]1)MUC2陽性は28例,陰性が73例で,各画像型における陽性率は主膵管型で75%(12/16),混合型で36%(16/45),分枝型で0%(0/40)であり,各群の HE染色によるintestinal typeの頻度と同じであった.2)全体のMUC2陽性群における悪性群の頻度は82%(23/28)で,陰性群は40%(28/73)であった.3)混合型に限ってもMUC2陽性群の方が悪性群の頻度は有意に高かった(88% vs. 38%, p=0.0017).4)多変量解析においてもMUC2陽性である事が混合型における唯一の独立した悪性予測因子であり(Odds Ratio 14.6, 95%CI 2.5-87.4, p=0.003),主膵管径や結節の有無は予測因子となり得なかった.[結語]混合型においてMUC2陽性群は悪性のhigh risk群であり,術前にMUC2染色の結果を知ることはその治療方針決定に有用である.
索引用語 IPMN, MUC2