セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓(IPMN2)
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タイトル |
消P-236:癌合併の陽性的中率よりみた膵IPMN新旧ガイドラインの比較検討
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演者 |
織田 典明(富山県立中央病院・内科) |
共同演者 |
松田 耕一郎(富山県立中央病院・内科), 酒井 明人(富山県立中央病院・内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院・内科) |
抄録 |
【目的】2006年にIPMN国際診療ガイドライン第1版(以後GL1)が出され,2012年10月GL第2版(GL2)に改訂された.今回我々は,GL1の手術適応により外科的切除が施行された症例に対して,GL2の手術適応を当てはめ,癌合併の陽性的中率よりみた膵IPMN新旧ガイドラインを比較検討した.【方法】2007年8月から2013年3月までに膵IPMNにて外科的切除を施行された32例を対象とした.男女比は23:9,平均年齢は71.4歳,頭部:鉤部:体尾部=17:5:10であった.これら32例は,GL1で示されている1.主膵管型,混合型全例(主膵管径10mm以上),2.分枝型では有症状例,結節例,細胞診陽性例,拡張分枝径30mm以上のいずれかを満たしていた.【成績】対象とした32例の切除標本の病理所見は,浸潤癌3例,非浸潤癌7例,腺腫22例であった.GL1による病型分類は,分枝型19例,主膵管型2例,混合型11例で,GL1に基づく癌診断の陽性的中率は31.2%(32例中10例)であった.retrospectiveにみてGL2にて判断した場合,手術適応例は32例中19例(59.3%)と減少し,その内訳はhigh-risk stigmata(HRS)18例,worrisome features(WF)1例であった.WFの1例はEUSで5mm以上の結節をみた例であった.これらGL2にて手術適応となった19例では,癌合併の陽性的中率は52.6%で,手術適応外例となった残る13例には癌合併例をみなかった.HRSの3項目中,今回検討では閉塞性黄疸例は認めなかったが,主膵管径>10mm,造影される結節の2項目を満たす例が19例中7例あり,これら7例中5例(71.4%)に癌合併を認めた.【結論】GL1に比しGL2により膵IPMNの癌合併の陽性的中率が向上し,特にHRSの2項目以上陽性では高率に癌を合併していることが示された. |
索引用語 |
IPMN, IPMN国際診療ガイドライン |