セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(その他)

タイトル 消P-237:

地域医療連携による切除不能膵癌の外来化学療法 -紹介元診療所でのゲムシタビン療法の現状,患者予後,アンケート結果-

演者 植木 亨(福山市民病院・内科)
共同演者 遠藤 久之(福山市民病院・腫瘍内科), 友田 健(福山市民病院・内科), 齋藤 俊介(福山市民病院・内科), 名和 徹(福山市民病院・内科), 藪下 和久(福山市民病院・内科), 下江 俊成(福山市民病院・内科), 坂口 孝作(福山市民病院・内科)
抄録 【目的】切除不能膵癌に対するゲムシタビン(GEM)療法は点滴時間も短く副作用も少ない.そこで当院では患者の通院時間や待ち時間の短縮と,外来診療や化学療法室の負担軽減のため,GEM投与は紹介元の診療所で行い月に1度当院外来を受診する,地域医療連携によるGEM療法を施行している.今回,このGEM療法の現状,患者予後,診療所へのアンケートから問題点などを検討した.【方法】対象は2010年7月から2013年2月の間に当院より紹介元の診療所へGEM投与を依頼した切除不能膵癌11例(診療所群,年齢中央値67歳).同時期に当院で2クール以上GEM投与した23例(病院群,年齢中央値66歳)をコントロールとした.方法は,切除不能膵癌と診断後,当院でGEMを1クール施行,容量を設定し副作用をチェック.紹介医と患者の同意が得られたら,紹介医へ薬剤説明.さらに地域連携室を通じ,認定看護師作成のスタッフ用パンフレットを提供,希望あれば化学療法室研修などを受け入れた.紹介医で投与開始後は,緊急時は当院で対応することを約束し,月に1度は当院を受診,2-3か月毎に画像的に効果判定した.検討項目は患者背景,投与量,生存期間など.さらに,GEM投与を依頼した9施設(11症例)にアンケートを郵送し,診療所におけるGEM療法の問題点などを検討した.【結果】診療所群:病院群において患者背景に差はなかった.中央値でGEM投与量(mg)/4週3319:3430,無増悪生存期間(日)139:145,全生存期間(日)241:254といずれも両群間に差は認めなかった.アンケートは9/9(100%)施設より回答が得られ,疼痛コントロールにやや難渋した症例が3/11(27%)例に見られたが,GEM投与に関しては8/9(89%)施設で次回も投与可能との回答であった.【結論】診療所におけるGEM療法は,比較的問題なく施行可能で予後も同等であった.今後,地域連携パスとして推進できればと考えている.
索引用語 地域医療連携, 膵癌