セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(症例報告)

タイトル 消P-243:

当院で経験した膵腺扁平上皮癌の3例

演者 荒木 理(西神戸医療センター・消化器科)
共同演者 隅野 有香(西神戸医療センター・消化器科), 吉田 裕幸(西神戸医療センター・消化器科), 村上 坤太郎(西神戸医療センター・消化器科), 津田 朋広(西神戸医療センター・消化器科), 佐々木 綾香(西神戸医療センター・消化器科), 安達 神奈(西神戸医療センター・消化器科), 島田 友香里(西神戸医療センター・消化器科), 林 幹人(西神戸医療センター・消化器科), 井谷 智尚(西神戸医療センター・消化器科), 三村 純(西神戸医療センター・消化器科), 橋本 公夫(西神戸医療センター・病理科)
抄録 【背景】膵腺扁平上皮癌は予後不良な膵腫瘍として知られているが,比較的稀な腫瘍であり,その特徴はまだ十分に解明されていない.今回は当院で経験した膵腺扁平上皮癌症例3例について紹介し,その画像所見や発生機序について検討を加えることとする.【症例1】66歳,女性.既往歴:慢性膵炎,シェーグレン症候群,うつ病.現病歴:心窩部痛のため当院外来を受診し,各種画像検査の結果,膵頭体部付近にφ9cmの巨大な腫瘤を認め,経皮的生検により腺扁平上皮癌と診断された.肺転移も認めたが,感染徴候があり化学療法を開始できないまま徐々に全身状態が悪化し,第109病日に永眠された.【症例2】69歳,女性.既往歴:パーキンソン病.現病歴:上腹部違和感のため当院外来を受診し,画像検査により膵体部にφ4cmの腫瘤性病変を認めた.経乳頭的に膵管ブラシ細胞診を行い,腺扁平上皮癌の診断となった.遠隔転移や脈管侵襲を認めず手術適応と判断し,膵体尾部切除を施行した.現在術後1年8ヶ月が経過しているが,無再発生存中である.【症例3】65歳,男性.既往歴:C型慢性肝炎.現病歴:C型慢性肝炎でインターフェロン治療を行いSVR後,当院で半年毎に経過観察を行っていたが,鼡径部腫瘤を自覚し急速に増大してきたため,精査目的に入院.画像検査で膵体部にφ5cmの腫瘤,右鼡径部にφ7.5cmの腫瘤を認めた.鼡径部腫瘤から経皮的生検を行ったところ,腺扁平上皮癌の診断であったため,膵癌の鼠径リンパ節転移が疑われた.第10病日に膵腫瘍による十二指腸狭窄から食事摂取困難となり,第16病日より不隠が出現,そのまま全身状態が急速に悪化し,第28病日に永眠された.【検討】病理検査としては,症例1は生検のみだが,症例2は手術,症例3は剖検を行っており,この結果をふまえて扁平上皮癌成分の由来について検討し,文献的考察を加えて報告することとする.
索引用語 腺扁平上皮癌, 膵癌