セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性1)

タイトル 消P-251:

PPI維持療法中GERD患者に対するエソメプラゾールの有効性~症状消失とLDA/NSAIDs併用との関係~

演者 齋藤 壽仁(東京女子医大東医療センター・内科)
共同演者 川崎 孝広(東京女子医大東医療センター・内科), 木村 綾子(東京女子医大東医療センター・内科), 安藤 由希(東京女子医大東医療センター・内科), 許山 彩(東京女子医大東医療センター・内科), 入村 峰世(東京女子医大東医療センター・内科), 岡部 ゆう子(東京女子医大東医療センター・内科), 伊賀 大二郎(東京女子医大東医療センター・内科), 富松 昌彦(東京女子医大東医療センター・内科)
抄録 【目的】新規PPIであるエソメプラゾール(EPZ)の従来PPI治療抵抗GERD患者に対する有効性が報告されつつある.近年,低用量アスピリン(LDA)やNSAIDsの服薬者が増加しているが,食道粘膜障害の関与が明らかにされる一方,PPIのGERD症状消失効果との関係は明らかでない.我々は従来PPIよりEPZへ変更を行った患者を対象にEPZ変更後の有効性を検討し,LDA/NSAIDs併用との関係についても分析した.【方法】2012年10月から2013年1月末にてGerdQ問診票で治療反応不良(胸やけ,逆流症状の残存,QOL障害が2日/週以上)であった45例を対象にEPZ20mg/日へ変更し,8週後に再度GerdQ問診票を実施した.主要評価はEPZ変更8週後のGerdQ症状質問1,2にて,いずれも全くないに回答した患者割合(症状消失率)とし,副次評価には症状消失率に対するLDA/NSAIDs服薬者と非服薬者の違い,他因子別(年齢,性,飲酒,喫煙,睡眠,食習慣,前PPI用量,その他胃薬有無)の違いを検討した.【結果】患者は年齢67.5±13.9歳,男/女:16/29例で,前治療PPIは半量/常用量:21/24例であった.LDA/NSAIDs服薬は,なし:19例,LDA:7例,NSAIDs:10例,LDA+NSAIDs:9例であった.EPZ変更8週後の症状消失率は31.1%(14/45例)(95%CI:19.5-45.7%)であった.LDA/NSAIDs服薬者の非服薬者を比較対象とした症状消失に対するオッズ比(95%CI)は,LDA:0.64(0.03-6.34),NSAIDs:2.52(0.47-14.28),LDA+NSAIDs:0.33(0.02-2.70)であり有意な影響は認めなかった.その他因子においても有意な影響は認めなかった.全例において認容性は良好であった.【結論】従来PPI維持療法にも関わらず治療反応が十分でないGERD患者に対し,EPZへの変更は有効な治療選択肢であり,EPZの症状消失効果に対してLDA/NSAIDs併用,他因子の影響は認めなかった.
索引用語 GERD, NSAID