セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性1)

タイトル 消P-252:

ラベプラゾールとイルソグラジンマレイン酸塩との併用はNERD患者のQOLを向上させたか?

演者 鈴木 孝良(東海大・消化器内科)
共同演者 仁品 玲子(東海大・消化器内科), 藤沢 美亜(東海大・消化器内科), 中島 貴之(東海大・消化器内科), 内田 哲史(東海大・消化器内科), 湯原 宏樹(東海大・消化器内科), 五十嵐 宗喜(東海大・消化器内科), 小池 潤(東海大・消化器内科), 松嶋 成志(東海大東京病院), 峯 徹哉(東海大・消化器内科)
抄録 【目的】近年NERD患者の食道粘膜細胞間隙拡大が報告され,その病態への関与が注目されているが,細胞間接着に作用するイルソグラジンマレイン酸塩のNERD患者に対する有用性は明らかでない.今回われわれはプラセボを使用し,イルソグラジンマレイン酸塩のラベプラゾールとの併用がNERD患者のQOLをより向上させるか否かを検討した.【方法】FSSG(frequency scale for the symptoms of GERD)が8点以上で,上部消化管内視鏡検査にて食道粘膜にびらんなどの粘膜傷害を認めないNERD患者100例を無作為にA群:ラベプラゾール20mg+イルソグラジンマレイン酸塩4mg,B群:ラベプラゾール20mg+プラゼボに割り付け4週間投与した.イルソグラジンマレイン酸塩とプラセボはいずれもカプセル化することで二重盲検とした.患者QOLはSF-36問診表を用いて評価した.【結果】A群49例(平均年齢51.1±16.4歳,男性13例),B群48例(平均年齢51.1±14.8歳,男性19例)の計97例が解析対象となった.2群間で年齢,性別に差はなかった.A群は,全体的健康感,活力および心の健康にて明らかな改善を認めた.一方,B群は全体的健康感および心の健康で改善を認めた(p=0.05).また,両群ともすべての項目の合算において治療前後で明らかな改善を認めた(p=0.01).【結論】両群とも治療後にQOLの改善を認めたが,ラベプラゾールにイルソグラジンマレイン酸塩を併用することでの上乗せ効果が示唆された.
索引用語 NERD, QOL