抄録 |
【目的】海外では, GERDと睡眠障害の関連について以前よりいくつかの報告がなされているが, 本邦での報告は少ない. 今回, 我々は日本人GERD患者における睡眠障害の合併率とその特徴について検討を行った. 【方法】2012年6月から2013年1月に当院外来を受診したGERD患者72名, control患者(大腸ポリペクトミー後など)81名を対象に自己記入式質問票を配布し, 睡眠に関してはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI-J), 不眠重症度質問票(ISI-J),エップワース眠気尺度(JESS)を用いて評価すると同時に, QOLや不安・抑うつに関してはSF-8やHADS尺度を用いて評価した. 【成績】GERDとcontrol群で年齢, 性別などに有意差は認めなかった. GERD患者の平均PSQIスコアは 6.3±3.0, ISIスコアは 7.5±5.3であり, control群のPSQIスコア 5.0±3.3, ISIスコア 5.3±4.7と比較して有意に高値であった. また, GERD患者のうちPSQI 5.5点以上の睡眠障害陽性者は59.7% と半数以上であり, control群 33.3% に比べて有意に高かった. GERD患者の睡眠障害の特徴として, 入眠障害は40.2%, 中途覚醒81.9%, 熟眠障害66.1% であり, その他にいびき54.1%, 無呼吸15.9% という結果であった. また, GERD患者のうちPPI内服中の患者は87.3% であり, PPI内服治療中にも関わらず, 睡眠障害が高かった. GERD患者においてHADS尺度は睡眠障害の有無で有意差は認めなかった. 【結論】本邦でのGERD患者における睡眠障害の合併率とその特徴について実態を調査した. |