セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
食道・咽頭(良性2)
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タイトル |
消P-260:プロトンポンプ阻害薬(PPI)を服用中の逆流性食道炎(GERD)患者の治療実態と背景因子の検討
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演者 |
乾山 光子(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
共同演者 |
竹内 基(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 藤本 愛(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 平野 直樹(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 大塚 隆文(東京労災病院・消化器内科), 中野 茂(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 瓜田 純久(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】GERD患者に対するPPIの治療実態と患者背景因子を明らかにする.【方法】本調査は2011年7月~2011年10月に当施設および関連施設で実施した.過去にGERDと診断され,ラベプラゾール,オメプラゾール,ランソプラゾールのいずれかのPPIを4週間以上服用中で同意を得た患者を対象にFスケール問診票(FSSG)によるアンケート調査,ならびに身長,体重,腹囲,飲酒歴,喫煙歴,併用薬,H. pylori感染の有無を調査し,症状の実態と症状が残存する患者の背景要因を高齢層(65歳以上)と若年層(65歳未満)に分けて検討した.【成績】アンケートを施行し評価可能な高齢層58名と若年層29名について集計・解析を行った.高齢層の平均年齢は77.4±4.9歳,平均BMIは24.0±3.7,平均腹囲は81.6±9.6であった.若年層の平均年齢は54.9±9.7歳,平均BMIは24.2±5.3,平均腹囲は81.8±10.6であった.併用薬ではカルシウム拮抗薬内服者が高齢層で有意に多かった.(p=0.004)FSSG総合計スコアの比較では若年層が7.8点,高齢層が3.4点と有意に若年層が高値であった.(p=0.002)酸逆流スコアの比較では若年層が4.4点,高齢層が1.7点と有意に若年層が高値であった.(p=0.003)運動不全スコアの比較では若年層が3.4点,高齢層が1.6点と有意に若年層が高値であった.(p=0.011)PPIを服用中だが,FSSG総合計スコアが8点以上の患者は若年層で29名(39.5%),高齢層で9名(15.5%)と有意に若年層が多かった.(p=0.043)PPIを服用していても症状が残存している患者が存在し,若年層のFSSGのスコアがより高い結果となった.【結論】高齢層より若年層の方が症状が強く残存している可能性があり,これは若年層の胃酸の基礎酸分泌量が高いことが要因として考えられた.若年層のGERD患者に対してはPPIの高容量投与も考慮すべきである. |
索引用語 |
GERD, PPI |