セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性2)

タイトル 消P-262:

日本語版GerdQ問診票を用いた逆流性食道炎に対するプロトンポンプ阻害薬治療の満足度実態調査およびエソメプラゾール切り替えによる症状改善効果の検討

演者 徳永 健吾(杏林大・3内科)
共同演者 田中 昭文(杏林大・3内科), 林田 真理(杏林大・3内科), 土岐 真朗(杏林大・3内科), 山田 雄二(杏林大・3内科), 櫻庭 彰人(杏林大・3内科), 蓮江 智彦(杏林大・3内科), 田部井 弘一(杏林大・3内科), 畑 英行(杏林大・3内科), 小山 元一(杏林大・3内科), 高橋 信一(杏林大・3内科)
抄録 【目的】逆流性食道炎に対するPPIの有効性は高いとされているが,症状消失率は内視鏡的治癒率よりも低く,PPI治療に対する満足度は低いことが近年報告されている.そこで本研究では,GerdQ問診票によりPPI治療の満足度を調査した.またPPI内服中で,症状が残存している症例に対してエソメプラゾール(EPZ)切り替えによる症状改善効果を検討した.【方法】当科外来を受診した患者のうち,PPI服薬中の逆流性食道炎患者を対象にGerdQ問診票を行った.観察項目は患者背景(性別,年齢など),PPIの投与量(半量・標準用量),PPIの服薬頻度,PPIの服薬期間,GerdQ問診票の5つである.GerdQ問診票による治療効果の評価には,胸やけ,胃内容物の逆流,睡眠障害,市販薬の使用のうち,どれか1つでも週2日以上の頻度が認められた場合を治療薬の効果が不十分であると判定した.また一部の症例ではオメプラゾール(OPZ)からEPZによる治療へと変更し,GerdQ問診票により効果判定を行った.【結果】82名(男性38名,女性44名)に問診を行い,PPIの投与量は半量が28.0%(23例/82例)で,標準用量が72.0%(59/82)であった.GerdQ問診票により治療効果良好であると判定された患者は64.6%(27/82)であり,うちGerdQ問診票の質問全てに「全くない」を選択した患者は31.7%(26/82)であった.一方,35.4%(29/82)の患者が治療効果不十分であると判定された.GerdQ問診票の各項目で,過去1週間の症状が4-7 日と高頻度であった項目は,胸やけ(9.8%),逆流感(6.1%)であった.30症例に対してOPZからEPZへ処方を変更した結果,66.7%(20/30)で症状の改善を認めた.【結語】PPI治療中の逆流性食道炎患者の多くが症状が残存していた.また効果不十分例に対してはEPZへの変更が有用であることが示唆された.
索引用語 GerdQ問診票, エソメプラゾール