セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性3)

タイトル 消P-263:

Symptom indexはPPI抵抗性NARDの病態を反映する

演者 長谷 善明(済生会中津病院・消化器内科)
共同演者 山下 博司(済生会中津病院・消化器内科), 岩坪 太郎(済生会中津病院・消化器内科), 黒澤 学(済生会中津病院・消化器内科), 安富 栄一郎(済生会中津病院・消化器内科), 川口 真平(済生会中津病院・消化器内科), 古賀 英彬(済生会中津病院・消化器内科), 生方 聡史(済生会中津病院・消化器内科), 江口 考明(済生会中津病院・消化器内科), 田中 敏雄(済生会中津病院・消化器内科), 福知 工(済生会中津病院・消化器内科), 伊藤 大(済生会中津病院・消化器内科), 蘆田 潔(済生会中津病院・消化器内科)
抄録 【背景と目的】非びらん性逆流症(NERD)は,びらん性食道炎と比較してPPIに対して不応例が多く病態の解明が望まれている.我々はPPI倍量投与でも症状が持続する患者に対し,24時間多チャンネルインピーダンス・pHモニタリング(MII-pH)と高解像度食道内圧検査(HRM)を行い病態の検討を行った.【対象と方法】PPI倍量投与で症状が改善しない54例(男性28例,平均年齢59.2歳)を対象とした.PPI投与下でMII-pH,HRMを行った.逆流と症状との関連はsymptom index(SI)を用い,SI50%以上を陽性,SI50%未満を陰性としSI陽性と陰性の病態について比較をした.【結果】54例中SI陽性が29例(男性16例,平均年齢58.3歳),SI陰性が25例(男性12例,平均年齢60.3歳)で,両群間で年齢,性別,裂孔ヘルニアの有無,症状回数,%pH<4HTに有意差は認めなかった.平均逆流回数はSI陽性で有意に多かった.酸性度別逆流回数では両群で大半が非酸逆流であった.酸逆流は両群で差を認めなかったが,非酸逆流はSI陽性で有意に多かった(各々p<0.001).逆流物の上昇度の比較ではSI陽性群において有意に上部食道逆流率が高値であった(47.1%vs.35.4%,p<0.001).酸性度別,性状別で上昇度を比較すると,非酸,液体,混合においてSI陽性で有意に上部食道逆流率が高かった(p<0.001,p<0.001,p<0.001).一方,酸逆流では上昇度に差を認めなかった.SI陽性で運動機能障害を有する割合が有意に多かった(p=0.035).一次蠕動圧と正常一次蠕動波出現率はSI陽性で有意に低かったが(p=0.045,p<0.05),LES機能は両群間で差を認めなかった.【結語】SI陽性群はSI陰性群と比較し有意に逆流回数,上部食道逆流率が高く.また運動障害も多く認めた.SIはPPI抵抗性NERDの病態の違いを反映している可能性が指示された.
索引用語 NARD, MII-pH