セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性3)

タイトル 消P-269:

Vareniclineによる禁煙治療のGERD症状に及ぼす影響

演者 木幡 幸恵(大阪市立大・消化器内科)
共同演者 藤原 靖弘(大阪市立大・消化器内科), 谷川 徹也(大阪市立大・消化器内科), 山上 博一(大阪市立大・消化器内科), 斯波 将次(大阪市立大・消化器内科), 渡辺 憲治(大阪市立大・消化器内科), 渡辺 俊雄(大阪市立大・消化器内科), 富永 和作(大阪市立大・消化器内科), 荒川 哲男(大阪市立大・消化器内科)
抄録 【目的】 われわれは検診受診者においてGERDが喫煙と関連を認めることや,禁煙外来受診者における上腹部消化器症状の頻度が検診受診者に比して著明に高いことを明らかにしてきた.しかし,これまで禁煙がGERD症状に及ぼす影響についての報告はほとんどない.そこで,vareniclineによる禁煙治療がGERD症状および健康関連QOL (HR-QOL)に及ぼす影響について検討を行った.
【方法】 当院および関連クリニックの禁煙外来受診者のうち,3カ月間のvareniclineによる禁煙治療を完遂した158例(男性 97例,女性 61例,平均年齢 47.8歳,24-74歳)を対象とした.消化器症状に関する質問紙票に基づき,GERDの有無や程度,HR-QOLについて初診時と禁煙治療終了時(3カ月後)で比較した.GERDの有無と程度はFSSGで判定し (8点以上で陽性),HR-QOLにはSF-8を用いた.
【成績】158例中,初診時にGERDは71例 (44.9 %)に認め,禁煙によりそのうち32例 (45.1 %)で改善を認めた.一方,治療後に新規に発症したGERDは13例あった.禁煙治療前後で体重は平均1.57 kg (95%信頼区間 1.24-1.90) 増加していたが,新規発症例と体重増加には関連は認めなかった.FSSGスコアは初診時 (8.1±7.4)に比べ,禁煙により有意に改善していた (6.5±6.8, p<0.01).初診時のSF-8は,GERD者では非GERD者に比べて全ての項目で低下していた.禁煙治療終了後には“体の痛み”,“全体的健康感”,“活力”,“心の健康”の4項目で有意に改善していた.
【結論】vareniclineによる禁煙治療でGERD症状および健康関連QOLは短期的に改善していた.
索引用語 GERD, 禁煙