セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
食道・咽頭(悪性1)
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タイトル |
消P-276:食道癌に対してネダプラチンを用いた化学放射線療法の治療成績
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演者 |
高垣 航輔(静岡厚生連遠州病院・消化器内科) |
共同演者 |
白井 直人(静岡厚生連遠州病院・消化器内科), 松下 直哉(静岡厚生連遠州病院・消化器内科), 西野 眞史(静岡厚生連遠州病院・消化器内科), 竹内 靖雄(静岡厚生連遠州病院・消化器内科), 梶村 昌良(静岡厚生連遠州病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】進行食道癌に対する化学放射線療法(CRT)は確立された治療方法であり,化学療法として5-FUとシスプラチン(CDDP)が用いられてきた.近年ではCDDPの副作用軽減を図って本邦で開発されたネダプラチン(CDGP)を用いたCRTが行われており,当院でも2006年より5-FU/CDGPによるCRTを実施している.そこで当院における食道癌の治療成績を検討してみた.【方法】当院で2006年6月から2012年12月にCRTを実施した食道癌19症例・21病変について検討した.CRTは5-FU500mg/body + CDGP10mg/body (週5日・合計20回),Radiation(2Gy/day・週5日)は総線量60Gyで施行した.さらにCRT後には最大5クールの地固め化学療法(1クール5-FU 750mg/body + CDGP 20mg/body 5日間)を施行した.【成績】男性16例,女性3例で平均年齢68.9歳(50-79歳).病期はStageI/II/III/IVa/IVb = 2/4/2/9/2.占拠部位はCe/Ut/Mt/Ae = 2/8/10/1.病理は扁平上皮癌20病変,腺癌1病変.CRT後の初回効果判定は,CR4例/PR13例/SD2例であった(奏功率89.5%).CRT後の地固め化学療法は17症例で実施した(平均3.9クール).再発症例13例で,再発形式は局所再発7例,リンパ節再発4例,肝転移1例,胃転移1例であった.生存期間中央値はStageI~III19.1ヶ月,StageIV10.2ヶ月で,統計学的有意差が認められた(Log-rank test p=0.026).Grade3以上の有害事象は,白血球減少63%,血小板減少37%,食欲低下16%で,治療関連死はみられなかった.【結論】5-FU/CDGPによるCRTは高い奏効率を認めた.手術を希望しないStageI~III症例に対して治療の選択肢の一つと考えられた. |
索引用語 |
食道癌, 化学放射線療法 |