セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(悪性1)

タイトル 消P-277:

切除不能進行食道癌に対するNedaplatin(CDGP)/5-FU併用化学療法の治療成績

演者 西川 貴広(名古屋掖済会病院・消化器科)
共同演者 神部 隆吉(名古屋掖済会病院・消化器科), 大橋 暁(名古屋掖済会病院・消化器科), 岩田 浩史(名古屋掖済会病院・消化器科), 水谷 佳貴(名古屋掖済会病院・消化器科), 泉 千明(名古屋掖済会病院・消化器科), 奥藤 舞(名古屋掖済会病院・消化器科), 橋口 裕樹(名古屋掖済会病院・消化器科)
抄録 【目的】切除不能進行食道癌に対する本邦での標準化学療法はCDDP/5-FU併用療法であるが,Nedaplatin(CDGP)/5-FU併用療法は消化器毒性・腎毒性が少なく忍用性にすぐれ,かつ高い有効性を示すことが報告されている.今回CDGP/5-FU併用化学療法の有効性および安全性について当院で治療を行った症例にて検討を行った.【対象】2006年から2012年までに切除不能進行食道癌28症例にCDGP/5-FU併用化学療法を施行した.性別は男性20例女性8例,平均年齢は66.4歳であった.PSは0/1/2=14/13/1,病期は3/4a/4b=3/19/6であった.12例(43%)が通過障害のため経口摂取が不可能であった.治療はCDGP 80mg/m2(day1)5-FU 800mg/m2(day1-5)/4wで施行した.16例で放射線療法を併用したが,12例は腫瘍の大動脈浸潤,気管との瘻孔,または遠隔転移のため化学療法単独で施行した.【結果】Grade 3以上の有害事象は嘔気6例(21%)好中球減少20例(71%),血小板減少9例(35%),ヘモグロビン減少3例(11%)であった.Grade 3以上の腎機能障害は認めなかった.Grade 4の有害事象は好中球減少7例,血小板減少1例,ヘモグロビン減少2例であった.Nadirまでの平均期間は23日であった.放射線を併用した1例において腫瘍が大動脈と穿通し治療関連死亡例となった.また放射線治療併用群のうち5例においてGrade 3の食道炎・口内炎が認められた.治療効果はCR4例,PR13例で,奏効率は61%であった.生存期間の中央値は248日(8.3ヶ月),施行クールは1~9クール(平均2.9)で,9症例において二次化学療法が施行された.また化学療法単独で施行した12例の生存期間の中央値は249日(8.3ヶ月),CR1例,PR6例で,奏効率58%であった.【結語】CDGP/5-FU併用化学療法は血液毒性がやや強いものの消化器毒性・腎毒性は比較的軽く,忍用性に優れた治療法であるとともに高い有効性が認められ,切除不能食道癌に対する有用な治療法であると考えられた.
索引用語 Nedaplatin, 食道癌