共同演者 |
八島 一夫(鳥取大・機能病態内科), 斧山 巧(鳥取大・機能病態内科), 澤田 慎太郎(鳥取大・機能病態内科), 川田 壮一郎(鳥取大・機能病態内科), 今本 龍(鳥取大・機能病態内科), 武田 洋平(鳥取大・機能病態内科), 池淵 雄一郎(鳥取大・機能病態内科), 安部 良(鳥取大・機能病態内科), 松本 和也(鳥取大・機能病態内科), 河口 剛一郎(鳥取大・機能病態内科), 原田 賢一(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科) |
抄録 |
【目的】食道癌は喫煙・飲酒習慣など原因となる生活習慣の違いから男女比が約6:1と男性に多いが,女性の食道癌患者の詳細な臨床背景の検討は十分になされていない.今回,我々は当院における女性食道癌患者の臨床的特徴について男性症例と比較検討した.【方法】対象は2004年1月から2011年12月までに,当院にて診断・治療を行った食道扁平上皮癌症例304例(男274:女30,平均年齢 67.5歳)である.それぞれの患者背景(喫煙歴,飲酒歴,既往歴,家族歴,BMI),臨床背景(占居部位,臨床的進行度)などを検討項目とした.【結果】平均年齢は男性67.2歳,女性 70.6歳であり,80歳以上の割合は男性 8.0%,女性 33.3%と女性が多かった(p<0.01).喫煙歴は男性 92.0%,女性 30.0%(p<0.01),飲酒歴は男性 93.1%,女性30.0%(p<0.01)であり,ともに男性で高率であった.80歳以上の女性では,10例中9例で喫煙歴・飲酒歴がなかった.癌既往歴(男35.4%:女 16.7%,p=0.063)は,男性に高率であったが,癌家族歴(男 46.4%:女 53.3%,p=0.47),BMI(男 19.7:女 19.6,p=0.51)は男女で差を認めなかった.癌の占居部位別の頻度では,Ce領域(男 3.7%:女 12.9%)で,女性に高い傾向があった(p=0.058).臨床的進行度は,女性はStageIVが3例のみ(10.0%)で,男性(28.5%)より早期に発見される傾向にあった.【結論】当院の検討において,女性の食道癌は男性患者と比較して,高齢者が多く,喫煙・飲酒歴が少ない,Ce領域に多い,早期で発見される,という特徴を認めた. |