セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(基礎)

タイトル 消P-295:

NSAID 起因性消化管粘膜傷害における Reg ファミリー遺伝子発現

演者 C. Sun(兵庫医大・内科(上部消化管科))
共同演者 福井 広一(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 山崎 隆久(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 近藤 隆(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 池原 久朝(兵庫医大・内科(上部消化管科)), J. Shan(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 富田 寿彦(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 大島 忠之(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 渡 二郎(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科))
抄録 【背景・目的】 Regenerating gene (Reg) ファミリー遺伝子は4つのタイプに分類され,それぞれ消化管粘膜の再生に増殖因子として役割を果すことが示唆されている.しかしながら,同様な機能を有するファミリー遺伝子がどのように役割を調節しながら消化管粘膜の再生に関与するか明らかでない.そこで本研究では,NSAID 起因性の消化管炎症における Reg ファミリー遺伝子の発現変化を包括的に解析し,その発現意義について検討した.【方法】 雄性 ICR マウスにインドメサシン (1 回目 20 mg/kg, 2 回目 10 mg/kg) を24 時間毎に皮下投与し,経時的に胃から大腸までの消化管組織を摘出採取した.消化管粘膜傷害を肉眼的または病理組織学的に評価した.上記消化管領域における Reg type I ~ IV までのファミリー遺伝子発現変化を real time RT-PCR 法で定量的に解析した.【結果】 胃から大腸に至る消化管粘膜傷害はインドメサシン投与 24 時間後に最も強く,胃>小腸>大腸の順で粘膜傷害が高度であった.コントロール群では,Reg I は胃から大腸まで広く発現し,インドメサシン投与による粘膜炎症に伴ってその発現は著しく増強した.コントロール群における Reg II 発現は十二指腸に限局し,その発現は十二指腸の炎症増悪に伴って増強した.Reg III ファミリーは主に小腸優位の発現分布を示し,その中で Reg IIIδ が小腸の炎症増悪に伴って発現増強を示した.Reg IV は十二指腸から大腸まで広く発現し,インドメサシン投与による粘膜炎症に伴ってその発現は増強した.【結論】 Reg ファミリー遺伝子は消化管において各々異なる発現分布を示し,それぞれが優位に発現している消化管領域において傷害された粘膜の再生に関与する可能性が示唆された.
索引用語 NSAID, Reg