セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸(良性1) |
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タイトル | 消P-300:胃瘻造設後患者におけるクエン酸モサプリドとランソプラゾールの誤嚥性肺炎発症予防効果の検討 |
演者 | 高取 健人(市立加西病院・内科) |
共同演者 | 吉田 理人(市立加西病院・内科), 蓬莱 亞矢(市立加西病院・内科), 佐竹 信哉(市立加西病院・内科), 大瀬 貴之(市立加西病院・内科), 北嶋 直人(市立加西病院・内科), 米田 秀史(米田病院), 足立 経一(島根大・臨床看護学), 天野 祐二(化学療法研究所附属病院・消化器内科), 木下 芳一(島根大・2内科) |
抄録 | 【背景と目的】人口の高齢化に伴い嚥下障害を有する患者への胃瘻造設が増加している.一方,誤嚥性肺炎は胃瘻造設後患者の最大の死亡原因となっている.本研究では,胃瘻造設後患者においてクエン酸モサプリドとランソプラゾール投与が誤嚥性肺炎発症を予防するかどうかを検討した.【方法】対象は2009年7月から2011年12月において当院で新規に胃瘻が造設された患者もしくは胃瘻交換を行った患者119名.119例を無作為にコントロール群(無投与,40例),モサプリド群(5mg,3回/日,38例)およびランソプラゾール群(15mg,1回/日,41例)に割り付けた.胃瘻造設時および交換時に全例上部消化管内視鏡検査を行い,食道裂孔ヘルニアの有無を観察した.観察期間を6カ月とし,37.8度以上の有熱日数,嘔吐日数及び抗生剤投与日数を観察した.また胸部X線,血液検査及び症状をもとに診断された肺炎を記録した.【成績】6カ月間の肺炎発症率はモサプリド群はコントロール群(7/38 vs. 16/40 p=0.038)とランソプラゾール群(vs.20/41,p=0.005)に比し有意に低かった.またモサプリド群は他の2群に比し有意な有熱期間と抗生剤投与期間の減少を認めた.年齢,性別,食道裂孔ヘルニアの有無,投与薬剤,胃瘻注入時の体位について多変量解析を行ったところ,モサプリド投与は肺炎発症の予防因子(Odds ratio 0.288)であり食道裂孔ヘルニアの存在は肺炎発症の増悪因子(Odds ratio 6.097)であった.【結論】クエン酸モサプリド投与は胃瘻造設後患者の誤嚥性肺炎発症を予防することが示された. |
索引用語 | 胃瘻, 誤嚥性肺炎 |