セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(良性2)

タイトル 消P-305:

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の安全性と効果

演者 太田 正之(大分大・消化器外科)
共同演者 矢田 一宏(大分大・消化器外科), 白下 英史(大分大・消化器外科), 猪股 雅史(大分大・消化器外科), 北野 正剛(大分大)
抄録 【はじめに】わが国では2000年から腹腔鏡下肥満外科手術が開始され,2011年末までに568例が施行された.その主な術式は腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)であり,568例中230例(40%)を占め,2011年度には80例以上が施行された.当科では2006年からLSGを開始し,2010年1月には先進医療として承認されている.今回,当科で施行したLSGの成績を検討したので報告する.【方法】2006年6月から2013年1月までに当科においてLSG45例を施行した.平均年齢39歳,男性17例,女性28例であり,平均体重122kg,BMI 45 kg/m2,肥満関連健康障害3.3疾患合併していた.現在のLSGの適応は高度肥満症(BMI≧35 kg/m2,先進医療)やコントロール不良な糖尿病などを有する中等度肥満症(30≦BMI<35 kg/m2,臨床研究)としている.LSGの手技はブジーの替わりに内視鏡(32Fr)を使用し自動縫合器を用いて胃を切離した.【結果】術中合併症は1例も認めず,全例開腹手術に移行しなかった.術後合併症は輸血を必要とした腹腔内出血を1例(2.2%)に認めたのみであり,術後在院日数は平均9.0日であった.LSG後1年,2年,3年の減少体重はそれぞれ37kg,40kg,44kgであった.良好な体重減少により,糖尿病は94%(17/18)に寛解し,高血圧58%(11/19),脂質代謝異常85%(17/20)が治癒している.【結語】LSGは安全性と有効性を兼ね備えた術式であり,今後わが国においても急速に普及することが予測される.
索引用語 肥満外科手術, 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術