セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori 1)

タイトル 消P-315:

H. pylori除菌一次療法としてのPAM療法の有用性

演者 菊池 保治(聖隷沼津健康診断センター)
共同演者
抄録 当センターでは2009年4月から人間ドックのオプション検査としてH. pylori尿中抗体検査を実施している.それに伴い2009年7月にH. pylori除菌専門外来を開設した.H. pyloriの1次除菌法として保険承認されているのはPPI+AMPC+CAM (PAC) 療法であるが,CAM耐性菌の増加により除菌率が低下している.そこで自由診療受診者を対象に,本来2次除菌法であるPPI+AMPC+MNZ (PAM)療法を1次除菌治療として実施した.その成績をretrospectiveに検討した.対象と方法2013年1月30日までに効果判定を実施した229例を対象とした(男性:女性=141:89,平均年齢57.1±9.9歳).処方内容は,PAC療法はOPZ 40mg(以下1日量),AMPC 1500mg,CAM 400mgで,PAM療法はCAMをMNZ 500mgに変更し,7日間投与した.効果判定は2ヶ月後に尿素呼気テストを実施した.2011年5月24日までは1次除菌としてPAC療法を,それ以降は自由診療の群に対してはPAM療法を実施した.また,2011年12月21日からはOPZに変えてEPZを使用した.結果2011年5月24日までの除菌率は138例中100例で成功し,72.5%であった.副作用は32例(23.2%)で認められた.軟便など消化器症状が中心であり,多くは軽微なものであったが,発疹を認めた8例中除菌に失敗した3例は2次除菌できていない.2011年5月25日以降は,保険治療可能な例はPAC療法を,自由診療ではPAM療法を1次除菌として実施した.PAC療法群(41例),PAM療法群(50例)の除菌率はそれぞれ68.3%,90.0%であり,有意にPAM療法群が良好であった(p=0.0159).副作用は,全体では26.4%,発疹は2.2%に認められ,両群に差はなかった.結語PAM療法はPAC療法に比べ有効であった.副作用発現率も同等であり,副作用のため2次除菌に進めない例も考えると,検討するべき選択枝と考えられた.
索引用語 H. pylori, PAM療法