セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori 1)

タイトル 消P-318:

当院におけるH. Pyloriの一次除菌率・二次除菌率の年次推移についての検討

演者 堀井 孝容(堀井医院)
共同演者 小西 英幸(京都府立医大・消化器内科)
抄録 【目的】近年H. Pylori一次除菌率の低下が指摘されている.Clarithromycin(CAM)耐性が主な原因とされているが,過去の文献では経時的な除菌率の低下については賛否両論がある.今回当院における一次・二次除菌率の推移,ならびにCAM800mg/日・400mg/日投与での一次除菌率の比較検討を行なった.【方法】対象は2006年から2013年に当院で治療した一次除菌症例714例,二次除菌症例176例.除菌効果判定は尿素呼気試験で行い,一次・二次除菌率の年次推移を検討した.さらに2006~2010年までCAM800mg/日を投与した361例と2010~2013年までCAM400mg/日を投与した353例についても除菌率の比較を行なった.【成績】7年間の平均除菌率はPP解析で一次除菌率が76.3%・二次除菌率が88.6%であった.PP解析での一次除菌率・二次除菌率の年次推移を図に示す.CAM800mg/日投与群と400mg/日投与群の除菌率はそれぞれ74.0%・78.8%で有意差を認めなかった.【結論】一次除菌率の年次推移では経時的な低下はみられなかったものの,7年間を通して二次除菌率は一次除菌率より常に高率であった.現保険制度では,一次除菌はCAM400mg/日投与とされているが,CAM耐性症例を簡便に選別するための新たな検査法の開発が待たれるところである.
索引用語 H. Pylori, 除菌