セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori 2)

タイトル 消P-322:

当院におけるエソメプラゾールを用いたH.pyloriの除菌治療成績

演者 綱島 弘道(帝京大溝口病院・4内科)
共同演者 梶山 祐介(帝京大溝口病院・4内科), 石倉 慶彦(帝京大溝口病院・4内科), 小林 猛(帝京大溝口病院・4内科), 高井 敦子(帝京大溝口病院・4内科), 宮川 浩(帝京大溝口病院・4内科), 菊池 健太郎(帝京大溝口病院・4内科)
抄録 【目的】エソメプラゾールを用いたH.pylori除菌治療は,その強力な胃酸分泌抑制により胃内pHを上昇させ,抗菌薬の活性を高めることで,従来の3剤併用療法よりも成功率が向上すると予想される.今回その治療成績を検討した.【方法】2012年1月から2013年3月までに上部消化管内視鏡検査において病変を指摘され,尿素呼気検査を行った184例のうち,陽性を示し一次除菌治療(PPI+アモキシシリン+クラリスロマイシン)を行った71例をretrospectiveに解析し,治療成績をエソメプラゾール群と,オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾールによる他のPPI群とで比較した.【成績】一次除菌治療の成功例はエソメプラゾール群34例のうち27例(79.4%),他のPPI群では37例中24例(64.9%)であった.疾患別には胃潰瘍例,胃炎例がエソメプラゾール群では13例中11例(84.6%),14例中10例(71.4%)が成功し,他のPPI群では10例中7例(70%),13例中5例(38.5%)がそれぞれ成功した.二次除菌治療(PPI+アモキシシリン+メトロニダゾール)はいずれも一次除菌時と同じPPIが用いられ,エソメプラゾール群7例中7例,他のPPI群10例中9例が成功していた.一次除菌,二次除菌とも大きな副作用を認めなかった.【結論】エソメプラゾールによる一次除菌成功率は,他のPPI群よりも高い傾向が認められ,特に胃炎例では有意に高かったことから,今後の除菌治療への有用性が示唆された.二次除菌治療はいずれの群もほぼ全例が成功したことから,成功率のさらなる向上には胃内pH以外にクラリスロマイシン,メトロニダゾールに対する感受性が重要と考えた.
索引用語 エソメプラゾール, 除菌治療