セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori 3)

タイトル 消P-327:

当院におけるピロリ菌専門外来の現況

演者 高橋 和人(福井大附属病院・消化器内科)
共同演者 須藤 弘之(福井大附属病院・消化器内科), 尾崎 嘉彦(福井大附属病院・消化器内科), 大野 崇(福井大附属病院・消化器内科), 松田 秀岳(福井大附属病院・消化器内科), 大谷 昌弘(福井大附属病院・消化器内科), 平松 活志(福井大附属病院・消化器内科), 根本 朋幸(福井大附属病院・消化器内科), 中本 安成(福井大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】平成25年2月より,慢性胃炎に対してH.pylori除菌治療の保険適用が拡大された.今回我々は,当院ピロリ菌専門外来を保険適用前に受診した慢性胃炎患者に対するH.pylori除菌治療の成績と保険適応外である三次・四次除菌治療の成績を報告する.【方法】ピロリ菌専門外来開設後受診した慢性胃炎患者のうち,H.pylori除菌治療及び除菌判定を行った168名(男65名,女103名,平均年齢50.6歳(12-86歳))を対象とした.患者の世代別,治療を行った年代別,使用したPPI別に一次除菌治療成功率を比較した.また三次・四次除菌治療及び除菌判定を行った11名について,除菌方法,除菌成功率,副作用を調査した.【成績】一次除菌成功率は全体で71.7%(114/159)で,世代間,性別で有意差は認めなかった.二次除菌成功率は91.3%(42/46)で一次+二次除菌治療成功率は97.5%(156/160)であった.一次除菌成功率は,2009年以後では64.3%(47/73)で2008年以前の77.9%(67/86)と比較し,低い傾向にあった.PPI別にみると,Esomeprazole(EPZ)で90%(9/10),Rabeprazole(RPZ)で63.3%(19/30),Lansoprazole(LPZ)で72.3%(86/119)であった.副作用として,下痢などを認めたものの内服中止例はなかった.三次除菌治療施行例は,RPZ40mg+AMPC2000mg+LVFX500mg×10日間などLVFXを中心とした除菌方法を行い,除菌成功率は54.5%(6/11)であった.除菌不成功であった5例については,四次除菌治療を行い,3例は除菌に成功し,三次+四次除菌治療成功率は81.8%(9/11)であった.副作用としては,舌炎を生じ治療を中止した例を1例認めたのみであった.【結論】一次除菌成功率が低下しており,Clarithromycinに対する耐性菌の増加が示唆された.使用したPPIにより,除菌成功率に差がみられるが,今後の症例の集積を待つ必要があると思われた.三次除菌治療については,一次・二次除菌治療成功率と比較して低率で,今後シタフロキサシン(STFX)を中心とした除菌治療を導入予定である.
索引用語 H.pylori, 慢性胃炎