セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃・十二指腸(H.pylori 3)
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タイトル |
消P-329:プロトンポンプ阻害薬・アモキシシリン・メトロニダゾールによるヘリコバクター・ピロリの一次除菌療法は有用か?
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演者 |
竹田 晃(市立芦屋病院・消化器内科) |
共同演者 |
小嶋 和絵(市立芦屋病院・消化器内科), 加村 エリ子(市立芦屋病院・消化器内科), 池田 公一郎(市立芦屋病院・消化器内科), 竹村 忠晴(市立芦屋病院・消化器内科), 臼井 健郎(市立芦屋病院・消化器内科) |
抄録 |
【背景】ヘリコバクターピロリ(HP)の一次除菌においてクラリスロマイシン(CAM)に耐性率の上昇に伴う除菌成功率の低下が問題となっている.一方,メトロニダゾール(MNZ)に対する耐性率は低いため除菌成功率は依然高い.そこでCAMを含む除菌(PAC)とMNZを含むそれ(PAM)による一次除菌の除菌成功率について比較検討した. 【方法】2011年1月から2012年12月まで当院で自費診療によるHP除菌治療を受けた患者を対象とした.一次除菌治療として上記期間の前半はPACを,後半はPAMを用いている.除菌終了8週間以上経過してからユービット錠を用いた尿素呼気試験(UBT)で除菌効果判定を行った.【結果】UBTによる除菌判定は2.4‰以下を成功,2.5から4.9を判定保留,5.0以上を不成功とした.PAC群:103例中,成功80例(77.6%),判定保留5例,不成功18例であった.PAM群では75例中それぞれ72例(96.0%),2例,1例であった.副作用による中止例はなかった.PAC群不成功18例中17例は二次除菌治療としてPAMを施行し,16例で除菌に成功した(94.1%).また判定保留について便HP抗原検査を思考したところ,PAC群では5例中2例が未施行,3例が陰性,PAM群では3例中2例が陰性,1例が陽性であった.【考察】PAMによる一次除菌療法はPACによるそれと比べて除菌率が高く,ほとんどの症例において1回の治療で完結する.そのため経済的・時間的に患者にとって有用であった.しかしPAMによる一次除菌療法が普及するとMNZに対する耐性増加が懸念されること,PAM不成功の場合の二次除菌,三次除菌療法の体制が課題である. |
索引用語 |
H.pylori, 除菌療法 |