セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori 4)

タイトル 消P-334:

H. pylori陽性胃炎患者におけるCOX-2のSNPを用いた除菌後ハイリスク群の絞り込み

演者 小高 康裕(日本医大・消化器内科)
共同演者 二神 生爾(日本医大・消化器内科), 辰口 篤志(日本医大・消化器内科), 若林 大雅(日本医大・消化器内科), 山脇 博士(日本医大・消化器内科), 名児耶 浩幸(日本医大・消化器内科), 新福 摩弓(日本医大・消化器内科), 進藤 智隆(日本医大・消化器内科), 楠 正典(日本医大・消化器内科), 植木 信江(日本医大・消化器内科), 河越 哲郎(日本医大・消化器内科), 三宅 一昌(日本医大・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科)
抄録 (目的・背景)慢性胃炎に対する除菌治療が保険適応となった.しかし除菌後の患者の内視鏡フォローなどをどの程度の期間で行うかなど,リスク管理は明確でなく,患者の遺伝的背景を考察することも一つの戦略として重要であると思われる.そこで今回我々は,IL-1βに加えて,COX-2のSNPをH.pylori陽性胃炎患者を対象に解析するとともに,実際の胃炎の程度とを比較検討し,H.pylori胃炎患者の除菌後のハイリスク群の絞り込みに利用できないか検討した.(方法)H.pylori陽性患者138名を対象としてCOX-2(rs689466),IL-1β(rs16944)のSNPを設計し,内視鏡生検ブロックまたは血液よりDNAを抽出しSNPの測定を行なった.内視鏡下生検より胃前庭部,胃体部小弯側・大弯側からの生検標本をactivity・inflammation・IM(Intestinal Metaplasia)・atrophyの程度を0-3でスコア化した.(結果)IL-1β(rs16944)(n=138)のhomo型 TTでは,activity: 1.72±0.60 , inflammation: 2.04±0.32, IM: 0.43±0.77 , atrophy: 1.15±0.64.であった.一方, CT/CC型では,activity: 1.61±0.78 , inflammation: 2.09±0.47, IM: 0.44±0.72 , atrophy:0.94±0.90.であった.COX-2 (rs689466)(n=138)のhomo型 TTでは,activity: 1.66±0.74 , inflammation: 2.32±0.60, IM: 0.52±0.62 , atrophy:1.06±0.94.であった.一方,CT/CC型では,activity: 1.52±0.71 , inflammation: 2.02±0.39, IM: 0.54±0.74 , atrophy:0.85±0.85.であった.(結語)COX-2(rs689466)homo型(TT)では,胃粘膜萎縮および炎症細胞浸潤のスコアが高く,H.pylori胃炎患者の除菌後のリスク管理に有用な可能性が示唆された.
索引用語 H. pylori胃炎, COX-2 SNP