セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(H.pylori 4)

タイトル 消P-335:

Amoxicillinの投与スケジュールのH. pylori除菌率への影響

演者 古田 隆久(浜松医大附属病院・臨床研究管理センター)
共同演者 杉本 光繁(浜松医大・1内科), 魚谷 貴洋(浜松医大・1内科), 佐原 秀(浜松医大・1内科), 市川 仁美(浜松医大・1内科), 山田 貴教(浜松医大・1内科), 大澤 恵(浜松医大附属病院・光学医療診療部), 杉本 健(浜松医大・1内科)
抄録 Amoxicillin (AMPC)はH. pyloriの除菌療法において一次除菌,二次除菌のいずれにも含まれる除菌療法の中心的な抗生物質である.通常,標準療法ではAMPCは1500mgは分2投与されるが,効果は時間依存性であり,他の感染症では1日分3ないし分4投与が行われている.そこで,H. pyloriの除菌療法においてもAMPCの投与方法が除菌率に影響するかを検討した.対象:H. pylori陽性の312例に対し,23S rRNA変異検査もしくは培養による感受性試験でclarithromycin (CAM) 感受性の場合には,CAM 200 mg bid と,AMPCを750 mg bidもしくは500 mg tid,500 mg qidの1週間療法を行った.CAM耐性例や二次除菌症例に対しては,metronidazole (MNZ) 250 mg bid と,AMPCを750 mg bidもしくは500 mg tid, 500 mg qidの1週間療法を行った.PPIはCYP2C19遺伝子多型の影響を軽減するため,rapid metabolizerで増量した.除菌判定は除菌終了4週以降後に13C-UBTを行い,陰性の場合にはRUTを行い確認した.結果: 10例が解析から除外された.PPI/AMPC/CAM療法では,AMPC 750 mg bidでは80.3% (49/61),500 mg tidで96.7% (58/60)(P = 0.008),500 mg qidで95.0% (57/60)(P = 0.025)であった.PPI/AMPC/MNZ療法ではAMPC 750 mg bidでは82.5% (33/40),500 mg tidで95.0% (38/40),500 mg qidで97.6% (40/41)であり,った(P = 0.029).AMPC 750 mg bidと500 mg tid,qid では副作用の出現率に差は認めなかった.考案:H. pylori除菌療法ではAMPCは通常750 mg bidとされているが,500 mg 3回ないし4回投与でより効果が高まる.除菌レジメンの考案には,抗菌薬の感受性に加えて,抗生物質の投与方法にも配慮が必要である.
索引用語 H. pylori, アモキシシリン