セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸(H.pylori 4) |
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タイトル | 消P-336:胃ESD後除菌後の異時性癌の検討 |
演者 | 河野 真(東京医大病院・消化器内科) |
共同演者 | 後藤田 卓志(東京医大病院・消化器内科), 草野 央(東京医大病院・消化器内科), 福澤 誠克(東京医大病院・消化器内科), 八木 健二(東京医大病院・消化器内科), 野中 雅也(東京医大病院・消化器内科), 山本 圭(東京医大病院・消化器内科), 辻 雄一郎(東京医大病院・消化器内科), 八木 直子(東京医大病院・消化器内科), 岩塚 邦生(東京医大病院・消化器内科), 佐藤 丈征(東京医大病院・消化器内科), 植松 淳一(東京医大病院・消化器内科), 岸本 佳子(東京医大病院・消化器内科), 笠井 美孝(東京医大病院・消化器内科), 河合 隆(東京医大病院・内視鏡センター), 森安 史典(東京医大病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景】わが国における無作為化比較試験で,早期胃癌の内視鏡治療後に起こる異時性癌のH. pylori除菌による発癌予防効果が報告された.一方で,胃ESD後の経過観察中に異時性胃癌を発見する機会は少なからずあり実臨床において除菌効果の実感はあまりない.【目的】胃ESD後にH. pylori除菌を施行し,1名の内視鏡医師によって長期間上部消化管内視鏡検査が行われた早期胃癌症例における異時性多発癌の発見率とその特徴を明らかにする.【対象と方法】早期胃癌に対して2002年から2008年に初回ESDを施行した症例のうち,H. pylori除菌治療成功後に毎年の上部消化管内視鏡検査によって長期追跡が可能であった28症例を対象とした.除菌後の異時性胃癌の発生はKaplan-Meier法にて評価し,除菌成功確認時点を観察開始点,異時性胃癌の発生,あるいは最終確認日を打ち切り日とした.なお1年未満の異時性胃癌は同時性多発胃癌とした.【結果】年齢の中央値67(49-74)歳,男女比25/3,追跡期間中央値6.10(2.08-10.12)年であった.このうち異時性胃癌を認めたのは全て男性の5例(17.9%)であった.異時性胃癌発見までの期間は中央値で3.15(2.20-3.38)年であった.異時性胃癌の腫瘍径中央値は11(5-17)mm,発生部位はL/M/U;1/2/2例,肉眼型はIIb/IIc/IIb+IIc;1/3/1例,深達度はM/SM1;3/2例,組織型;分化型3例,未分化型2例であった.【考察】自験例はcase-series研究であるが,1名の内視鏡医によって慎重に逐年検査を施行した結果,H. pylori除菌後であっても17.9%の症例で異時性胃癌の発生を認めた.未分化型も決して少なくないことから,内視鏡切除後の異時性胃癌に対するH. pylori除菌治療の予防効果については慎重な検討が必要と思われる. |
索引用語 | 除菌後胃癌, 異時性再発 |