セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸(NSAIDs) |
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タイトル | 消P-339:潰瘍既往のない患者における低用量アスピリン潰瘍の実態 |
演者 | 河村 直彦(愛知医大病院・消化器内科) |
共同演者 | 伊藤 義紹(愛知医大病院・消化器内科), 山口 純治(愛知医大病院・消化器内科), 岡庭 紀子(愛知医大病院・消化器内科), 野田 久詞(愛知医大病院・消化器内科), 田邉 敦資(愛知医大病院・消化器内科), 柳本 研一郎(愛知医大病院・消化器内科), 田村 泰弘(愛知医大病院・消化器内科), 近藤 好博(愛知医大病院・消化器内科), 井澤 晋也(愛知医大病院・消化器内科), 土方 康孝(愛知医大病院・消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医大病院・消化器内科), 水野 真理(愛知医大病院・消化器内科), 飯田 章人(愛知医大病院・消化器内科), 小笠原 尚高(愛知医大病院・消化器内科), 舟木 康(愛知医大病院・消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医大病院・消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医大病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景】NSAIDならびに低用量アスピリン潰瘍の予防目的にPPIの投与が行われている.しかし,潰瘍既往のない患者の低用量アスピリン内服における消化性潰瘍の実態に関する報告はほとんどない.【目的】潰瘍既往のない低用量アスピリン内服患者における潰瘍のリスク因子ならびに予防因子につき後ろ向きに検討した. 【方法】2010年1月から12月の間に,当大学で上部内視鏡検査をうけた患者のうち,低用量アスピリンを3カ月以上常用しており潰瘍既往のない患者226名(男:女=140:86,平均年齢;72歳)を対象に背景,内服薬,内視鏡所見につき調査し,潰瘍のリスク因子ならびに予防因子につき単変量解析,多変量解析を用いて検討した.【結果】14名(6.2%)に潰瘍を認めた.単変量解析では糖尿病合併患者に潰瘍が有意に多かった(42.9% vs. 16.5%; P=0.024)が,年齢,性別,喫煙,飲酒,症状の有無には差を認めなかった.多変量解析では抗凝固薬(OR, 5.88; 95% CI, 1.19-28.99; P=0.03)ならびにPPI(OR, 0.13; 95% CI, 0.02-0.73; P=0.02)が 潰瘍に関与する因子として抽出された.抗血小板薬,H2ブロッカー,NSAID,抗高脂血症薬,降圧薬は潰瘍との関連を認めなかった.【結論】今回,抗凝固薬の併用ならびに糖尿病が潰瘍のリスク因子として抽出され,PPIによる潰瘍抑制されることが示された.潰瘍既往のない患者においてもPPIの予防投与を考慮する必要性について更なる検討が必要と思われる. |
索引用語 | 低用量アスピリン, 胃潰瘍 |