セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(NSAIDs)

タイトル 消P-343:

胃粘膜におけるテロメア長の解析(慢性胃炎,NSAIDsとの関連)

演者 田原 智満(藤田保健衛生大・消化管内科)
共同演者 柴田 知行(藤田保健衛生大・消化管内科), 大久保 正明(藤田保健衛生大・消化管内科), 河村 知彦(藤田保健衛生大・消化管内科), 市川 裕一朗(藤田保健衛生大・消化管内科), 石塚 隆充(藤田保健衛生大・消化管内科), 長坂 光夫(藤田保健衛生大・消化管内科), 中川 義仁(藤田保健衛生大・消化管内科), 平田 一郎(藤田保健衛生大・消化管内科)
抄録 背景・目的:加齢によるテロメア短縮は多くの組織に認められ,そのメカニズムとして細胞回転,酸化ストレスなどが考えられている.胃粘膜におけるテロメア短縮の意義を明らかにするため,胃粘膜におけるテロメア長を検索し,胃炎の程度,消化性潰瘍,NSAIDsとの関連につき検討した.対象・方法:150例の非胃癌症例(うち48例がNSAIDs使用者)の内視鏡下胃粘膜生検材料を用いた.テロメア長はリアルタイムPCRより測定,さらにH. pylori感染状況,胃炎の程度,E-cadherin (CDH1) 遺伝子のメチル化状態につきそれぞれ検索した.結果:テロメア長はH. pylori感染者で有意に短縮しており(4.03+/-1.96 vs. 2.82+/-1.62 mean+/-SD, p=0.002),組織学的胃炎(急性炎症: p=0.004, 慢性炎症: p=0.0003, 萎縮: p=0.0002, 化生: p=0.002),およびCDH1遺伝子のメチル化状態(p=0.0002)と有意に関連していた.H. pylori陰性者では,NSAIDs使用者でテロメア長の有意な短縮を認め (p=0.028),NSAIDs潰瘍と有意な関連を認めた.(p=0.009)結語:テロメア長の短縮は胃炎の程度,遺伝子メチル化とよく相関しており,またH. pylori陰性者においてNSAIDs使用はテロメア短縮をきたす可能性が示唆された.
索引用語 テロメア, 胃