セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌1)

タイトル 消P-346:

HER2陽性胃癌細胞に対するトラスツズマブ・レオウイルス併用療法の基礎的検討

演者 濱野 真吾(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学)
共同演者 森 義徳(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 片岡 洋望(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 西脇 裕高(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 田中 守(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 尾関 啓司(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 久保田 英嗣(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 谷田 諭史(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学)
抄録 【背景・目的】HER2陽性胃癌に対してはHER2の分子標的薬トラスツズマブと抗癌剤の併用療法が第一選択となっているが,十分な治療効果が得られていないのが現状である.近年,新たな抗腫瘍療法としてコクサッキーウイルスやレオウイルスなどの腫瘍溶解ウイルスが期待されている.欧米では頭頚部癌に対するレオウイルスの第三相臨床試験が進行中である.今回我々はHER2陽性胃癌細胞におけるトラスツズマブと腫瘍溶解性レオウイルスの併用による抗腫瘍効果を検討した.【方法】(1)HER2高発現胃癌細胞株(NCI-N87細胞)に対するレオウイルスおよびトラスツズマブ併用による殺細胞効果をWST-8アッセイを用いて検討した.(2)アポトーシス誘導効果をカスパーゼ3/7活性の測定にて検討した.(3)マウス皮下移植xenograftモデルを用いて腫瘍縮小効果を検討した.(4)PCRマイクロアレイにて併用抗腫瘍効果に重要な役割を果たす遺伝子を検索した.【結果】(1)トラスツズマブ単独群より併用群の方が有意に殺細胞効果を示した.(2)併用群ではトラスツズマブ単独群より有意にカスパーゼ3/7活性の上昇を誘導した.(3) xenograftモデルにおいてもin vitroと同様に,併用群でトラスツズマブ単独群より有意に強力な腫瘍縮小効果が認められた(腫瘍完全消失2例を含む).(4)併用群においてはBIRC8,CIDEA,TNFSF10,Caspase-1 mRNAの発現が上昇していた.【結語】HER2陽性胃癌細胞に対するトラスツズマブとレオウイルスの併用は,カスパーゼ3/7を介したアポトーシス誘導により抗腫瘍効果を増強すると考えられた.
索引用語 腫瘍溶解ウイルス療法, トラスツズマブ