セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸(胃癌1) |
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タイトル | 消P-347:当院における残胃癌ESD症例の検討 |
演者 | 戸祭 直也(京都第一赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 | 川上 巧(京都第一赤十字病院・消化器内科), 寺崎 慶(京都第一赤十字病院・消化器内科), 陶山 遥介(京都第一赤十字病院・消化器内科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院・消化器内科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院・消化器内科), 田中 信(京都第一赤十字病院・消化器内科), 間嶋 淳(京都第一赤十字病院・消化器内科), 山田 真也(京都第一赤十字病院・消化器内科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院・消化器内科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院・消化器内科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院・消化器内科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院・消化器内科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院・消化器内科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院・消化器内科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景】当院で胃ESDが導入されてから,早や10年が経過し,その戦略,合併症のマネジメントはほぼ確立されたと考えられる.一方,術後の残胃に発生する早期癌に対するESD症例の数は決して多くない.残胃でのESDは,術後再建法による条件の多様性があり,時に予想外な困難を生じることもあり,熟練が必要である.当院では2002年6月から2012年12月までに,1194病変に対し,ESDを施行した.同時期の全病変の3.3%に当たる残胃癌症例39病変について成績,合併症,腫瘍の特徴などの考察を行った.【方法】対象は,残胃癌37病変+残胃腺腫2病変の計39病変(B-1再建後13病変,B-2再建後4病変,Roux-en-Y再建後8病変,噴門側胃切除6病変,部分切除後6病変,胃管再建後2病変)(55~85歳,男性28病変,女性11病変).成績,合併症,腫瘍の特徴などを考察した.【結果】完全一括切除率は92.3%であった.合併症については,穿孔は1病変(2.6%)であったが,術後出血が4病変(10.3%)であった.腫瘍の発生母地としては,胃潰瘍術後4病変,胃癌術後30病変,食道癌術後2病変,不明3病変であった.特に胃癌術後の場合は,術後10年以上たってからの発生症例(二次癌)が30%(9/30),5年以上経過しているものは56.7%(17/30)であった.【考察】胃癌術後症例での二次癌は術後5年以上たっている症例が半数以上を占め,術後5年たった後にも,内視鏡でのスクリーニングの必要性が示唆された.合併症として術後出血が少し多い傾向で,特に注意を有すると考えられた.術後胃では再建方法や病変部位によって難易度は影響され,縫合線上や吻合部付近,残胃大彎は特に難易度が高かった.【結語】当院の残胃癌に対するESDは成績,合併症の点からも胃癌治療ガイドラインに準じて適応となりそうだが,その多様性より個々の症例で注意は必要である. |
索引用語 | 残胃癌, ESD |