セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃・十二指腸(胃癌1)
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タイトル |
消P-348:胃原発神経内分泌細胞癌8例の臨床病理学的検討
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演者 |
並川 努(高知大・1外科) |
共同演者 |
宗景 絵里(高知大・1外科), 志賀 舞(高知大・1外科), 上村 直(高知大・1外科), 北川 博之(高知大・1外科), 岡本 健(高知大・医療管理学), 小林 道也(高知大・医療管理学), 花崎 和弘(高知大・1外科) |
抄録 |
【目的】胃原発の神経内分泌細胞癌は稀であり,組織発生に関しても不明な点が多く,早期より遠隔転移やリンパ節転移を来しやすく予後不良とされている.当院で治療を行った胃原発神経内分泌細胞癌について臨床病理学的に検討した.【対象と方法】2000年から2012年までの間に当院で治療を行った胃原発神経内分泌細胞癌8例について臨床病理学的事項,予後について後方視的に検討した.【結果】年齢中央値は73歳 (52 - 84),男性7例,女性1例で,発生部位はU領域が3例,M領域が2例,L領域が3例,腫瘍径中央値は3.5 cm (1.5 - 13)であった.壁深達度はT1: 2例,T3: 2例,T4: 4例,リンパ節転移は,7例で陽性で,転移リンパ節数中央値は3個 (0 - 12),N1: 3例,N2: 3例,N3: 1例で,最終病期はI期: 2例,II期: 1例,III期: 2例,IV期: 3例であった.胃全摘術が4例,幽門側胃切除術が4例に施行され,脈管侵襲は8例全てにおいて陽性で,ly1: 3例,ly2: 3例,ly3: 1例,v1: 4例,v2: 3例であった.免疫組織学的染色による神経内分泌マーカーの陽性率は,Chromogranin A 62.5%,Synaptophysin 75.0%,CD56 (neural cell adhesion molecule) 62.5%,Neuron-specific enolase 40.0%,P53 protein 100%で,Ki-67 labeling indexの中央値は67.5% (40 - 90)であった.腺癌の併存を5例に認め,高分化型管状腺癌4例,扁平上皮癌1例であった.術後化学療法はCDDP/Etoposide,CPT-11/CDDP,S-1が使用されており,IV期の2例が原病死していたが,IV期およびIIIA期の症例で,69か月,162か月生存中である.2例に早期の胃神経内分泌細胞癌を認め,T1N1M0,ly1,v1とT1N0M0,ly0,v0であった.【結語】胃原発神経内分泌細胞癌は早期癌でもリンパ節転移,脈管侵襲を伴っており,悪性度の高い腫瘍であることがうかがえた.一方で,IV期で5年超の長期生存例もみられ,症例の蓄積により手術に加えた補助療法の確立,予後の改善が期待される. |
索引用語 |
神経内分泌細胞癌, 小細胞癌 |