セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌2)

タイトル 消P-349:

胃癌 癌部・非癌部におけるAID発現の意義

演者 江藤 祥平(徳島大・消化器・移植外科)
共同演者 島田 光生(徳島大・消化器・移植外科), 栗田 信浩(徳島大・消化器・移植外科), 岩田 貴(徳島大・消化器・移植外科), 佐藤 宏彦(徳島大・消化器・移植外科), 吉川 幸造(徳島大・消化器・移植外科), 東島 潤(徳島大・消化器・移植外科), 宮谷 知彦(徳島大・消化器・移植外科), 西 正暁(徳島大・消化器・移植外科), 柏原 秀也(徳島大・消化器・移植外科), 高須 千絵(徳島大・消化器・移植外科), 松本 規子(徳島大・消化器・移植外科)
抄録 【目的】Helicobacter pylori(HP)感染下の胃発癌において,慢性胃炎から発癌に至る過程で遺伝子変異酵素AID(activation-induced cytidine deaminase)が複数の遺伝子異常を誘発すると指摘されている.今回,癌部・非癌部におけるAID発現の意義について検討した.【方法】胃癌手術症例のうち術前HP陽性患者59例を対象とし,切除標本の癌部・非癌部のAID免疫組織化学染色を行い陽性と陰性に分類した.AID発現とHP感染,臨床病理学的因子,PKC発現との相関を検討した.【結果】非癌部においてAID発現は陽性41例(69%),陰性18例(31%)であった.HP感染の有無とAID発現を比較すると正の相関を認めた(P=0.01).一方,癌部では相関関係を認めなかった.一方,癌部における臨床病理学的因子との比較では分化度と有意な相関を認めた.(陽性16% vs 陰性57%).その他T因子,N因子等では有意差を認めなかった.またAID発現は有意にDFSが不良であった(P=0.05).またAID発現陽性ではPKCの発現が有意に高値であり正の相関を認めた.(P=0.004)【結論】 非癌部においてHP感染とAID発現が相関し,癌部のAID発現とPKC発現が相関した.AID発現は分化型胃癌の発癌及び癌進展に関与している可能性がある.
索引用語 AID, PKC