セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌2)

タイトル 消P-352:

胃癌における術前生検病理組織型と切除標本の最終組織型との相違の検討

演者 坂東 悦郎(静岡がんセンター・胃外科)
共同演者 町田 望(静岡がんセンター・消化器内科), 幕内 梨恵(静岡がんセンター・胃外科), 三木 友一郎(静岡がんセンター・胃外科), 杉沢 徳彦(静岡がんセンター・胃外科), 徳永 正則(静岡がんセンター・胃外科), 谷澤 豊(静岡がんセンター・胃外科), 川村 泰一(静岡がんセンター・胃外科), 絹笠 祐介(静岡がんセンター・消化器外科), 金本 秀行(静岡がんセンター・消化器外科), 上坂 克彦(静岡がんセンター・消化器外科), 寺島 雅典(静岡がんセンター・胃外科)
抄録 (背景と目的)FLAGS試験(補助化学療法のPhaseIII)のsubset解析で,未分化癌においてS1-CDDPの優越性が示唆され(p=0.041),未分化癌に対象を絞った臨床試験(DIGEST試験)が進行中である.術前補助化学療法(NAC)を行う場合は生検結果のみが術前に得られる組織情報であり,実際の最終組織型との相関は今後の重要な課題と考えられる.今回の目的は胃癌における術前生検病理組織型と切除標本の最終組織型との相違を明らかにすることである.(対象と方法)2002.10-2013.2の胃癌切除症例3002例を対象(NAC施行例および特殊型を除く).生検と切除標本での組織型を比較した.日本の規約とTNM分類では組織型が混在する場合の解釈が異なるため両分類別々に検討した.(結果)(A.日本の規約=dominantな組織型とする)生検高分化の場合最終病理での未分化癌は5.9% (40/677)で,生検中分化の場合最終病理での未分化癌は23.4% (218/932)であった.生検未分化の場合最終病理での未分化癌は89.0% (1240/1393)であった.分化型未分化型の2分類した場合の特異度は89.8% (1351/1504)で,敏感度は82.8% (1240/1498)であった.(B.TNM分類=悪性度の高い組織型とする) 生検高分化の場合最終病理での未分化癌は21.1% (111/527)で,生検中分化の場合最終病理での未分化癌は46.2% (363/786)であった.生検未分化の場合最終病理での未分化癌は93.7% (1582/1689)であった.分化型未分化の2分類した場合の特異度は88.7% (839/946)で,敏感度は73.4% (1582/2156)であった.(結語)生検病理と最終組織診断の一致率は高いといえるが,生検が中分化型の場合比較的高率に最終病理で未分化癌と診断される.dominantな組織型を病理診断としたほうが生検と最終病理での不一致率は低くなる.
索引用語 胃癌, 病理