セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌3)

タイトル 消P-354:

早期胃癌における癌関連蛋白および形質発現の検討

演者 川田 壮一郎(鳥取大・機能病態内科)
共同演者 八島 一夫(鳥取大・機能病態内科), 佐々木 修治(鳥取大・機能病態内科), 武田 洋平(鳥取大・機能病態内科), 林 暁洋(鳥取大・機能病態内科), 松本 和也(鳥取大・機能病態内科), 河口 剛一郎(鳥取大・機能病態内科), 原田 賢一(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科)
抄録 【目的】胃癌においてM癌であると進行は遅いが,SM癌になると進行が早くなることが知られており,その分子病理学的相違の解明は,正確なSM癌診断および胃癌進展過程の理解に有用と考えられる.今回われわれはSM胃癌における癌関連蛋白および形質発現の特徴を,M癌と比較し明らかにすることを目的とした.【方法】内視鏡的または外科切除したSM癌37例(男28:女9,平均年齢66.8歳,IIc+:IIc-=33:4,分化型23:混在型5:未分化型9,SM1:SM2=11:26)と内視鏡的に切除されたM癌92例(男67:女25,平均年齢70.2歳,IIc+:IIc-=56:36,分化型90:混在型2)の臨床病理学的背景を確認し,免疫組織化学染色にて病変部のAID,p53, CDX2発現および形質発現(MUC5AC,MUC2,CD10)を解析した.【結果】免疫組織化学染色にてAID発現,p53過剰発現,CDX2発現を認めたものは,それぞれM癌で35.9%,32.6%,56%,SM癌で56.8%,62.2%,76.7%であった.M癌と比べSM癌で明らかにAID,p53異常頻度は高くなっていた(p<0.01).癌関連蛋白発現相互ではAID発現とp53発現との関連がM癌では認めなかったが,SM癌で認められた(p<0.01).形質発現では胃型,胃腸型,腸型の頻度は,それぞれM癌で38%,38%,23%,SM癌で27%,47%,27%で差を認めなかったが,胃型SM癌におけるCDX2発現が88%と高率であった.【結語】SM癌への進展にはAID,p53,CDX2発現の関与が示唆された.
索引用語 早期胃癌, 分子病理