セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌3)

タイトル 消P-356:

播種性骨髄癌症を呈した胃癌に対するMethotrexate/5-FU交代療法の治療成績

演者 浜野 由花子(筑波大附属病院・消化器内科)
共同演者 森脇 俊和(筑波大附属病院・消化器内科), 今西 真実子(筑波大附属病院・消化器内科), 小林 真理子(筑波大附属病院・消化器内科), 圷 大輔(筑波大附属病院・消化器内科), 菅谷 明徳(筑波大附属病院・消化器内科), 小林 克誠(筑波大附属病院・消化器内科), 越智 大介(筑波大附属病院・消化器内科), 石毛 和紀(筑波大附属病院・消化器内科), 遠藤 慎治(筑波大附属病院・消化器内科), 金子 剛(筑波大附属病院・消化器内科), 奈良坂 俊明(筑波大附属病院・消化器内科), 福田 邦明(筑波大附属病院・消化器内科), 鈴木 英雄(筑波大附属病院・消化器内科), 安部井 誠人(筑波大附属病院・消化器内科), 溝上 裕士(筑波大附属病院・消化器内科), 兵頭 一之介(筑波大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】播種性骨髄癌症は癌の骨転移の特殊型であり,びまん性に骨髄転移を起こし,DICを高率に合併する極めて予後不良な病態とされる.播種性骨髄癌症に対する確立された治療法はないが,Methotrexate(MTX)/5-FU交代療法の有用性を示唆する報告があり,我々は当科の治療成績について検討した.
【方法】対象は2008年11月から2013年1月の間に播種性骨髄癌症と診断し,MTX/5-FU交代療法を行った胃癌の6例で,患者背景,DICスコアの推移,生存期間についてレトロスペクティブに検討した.播種性骨髄癌症の診断は,2例がDICスコア,2例がCT所見,1例が骨髄穿刺,1例が骨シンチで行われた.
【成績】年齢中央値は58歳(55-71),男性:女性=5:1,PSは1:2:3:4=2:1:1:2,初回化学療法例は4例,組織型はtub2~porが2例,por~sigが2例,sigが2例であった.診断時のWBC,Hb,Plt,LDH,ALP中央値はそれぞれ8250/μl(末梢血芽球出現1例),7.9g/dl,9.6万/μl,638U/l,709U/l,DICスコア中央値は5点(4-10)でDIC合併例は2例であった.MTX/5-FU交代療法の投与回数中央値は9回(2-22)で,DICスコアはDICを合併していた2例を含む5例で中央値3点(2-5)まで改善し,最も改善するまでの期間中央値は15日(5-40)であった.全例の生存期間中央値は79日(95%信頼区間29-129)であった.外来通院が可能となり,180日以上生存できた症例は2例で,いずれもDICを合併していない状態で治療を開始していた.
【結論】 MTX/5-FU交代療法により播種性骨髄癌症のDICスコアの改善が認められたが,延命には早期診断と早期治療が重要であると考えられた.
索引用語 播種性骨髄癌症, DIC