| セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃・十二指腸（胃癌4） |
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| タイトル | 消P-361：腹膜播種による腹水または水腎症を有する胃癌に対するS-1/Docetaxel療法の検討 |
| 演者 | 塚田 健一郎（済生会富山病院・内科） |
| 共同演者 | 植田 亮（富山大・３内科）, 細川 歩（富山大・３内科）, 吉田 啓紀（富山大・３内科）, 三原 弘（富山大・３内科）, 安藤 孝将（富山大・３内科）, 藤浪 斗（富山大・３内科）, 梶浦 新也（富山大・３内科）, 西川 潤（富山大・３内科）, 西水 敏准（済生会富山病院・内科）, 岩本 真也（済生会富山病院・内科）, 菓子井 良郎（済生会富山病院・内科）, 杉山 敏郎（富山大・３内科） |
| 抄録 | 【背景】本邦では進行・再発胃癌の標準治療はS-1/Cisplatin(CDDP)療法である．しかし腹膜播種による高度腹水や水腎症を有する症例は，腎障害や腹水コントロールなどの点からCDDPの投与は困難である．一方，S-1/Docetaxel(DTX)療法はS-1単剤療法との第III相臨床試験において，主要評価項目である全生存期間では優位性を示せなかったものの，無増悪生存期間と奏効率は有意に良好であり，標準治療が困難な症例に対する治療オプションと考えられる．【対象と方法】腹膜播種による高度腹水や水腎症のためにCDDPの投与が困難な胃癌患者を対象にS-1/DTX療法(S-1 80mg/m2, day1-14，DTX 40mg/m2, day1, 3週毎) を行い，有効性および安全性について後方視的に検討した．【結果】対象症例は20例．高度腹水14例，水腎症7例(重複症例あり)．年齢中央値 は66歳(38-81)，男性/女性は15/5例，PS 0/1/2は1/11/8例．投与コース数の中央値は4コース(1-27)．高度腹水を認めた14例中7例(50%)で腹水が消失した．14例中5例は原病の増悪のため2コース以内に治療が中止された．水腎症を有した7例中4例(57%)に水腎症の改善を認めた．Grade3以上の有害事象は白血球減少8例(40%)，好中球減少9例(45%)，Hb低下1例(5%)，食欲不振2例(10%)，悪心2例(10%)であった．観察期間中央値は7.4ヶ月で生存期間中央値(MST)は10.1ヶ月，無増悪生存期間中央値(PFS)は4.2ヶ月であった．【結論】少数例の検討ではあるものの，S-1/DTX療法は高い臨床症状の改善率を得ることができた．毒性は既報と同程度で，高度の腹膜播種を認める症例にも投与可能であったが，高度腹水症例では慎重な対応が必要と考えられた．【症例提示】高度腹水，心疾患のためCDDPの投与が困難であった症例．S-1/DTX療法が著明に奏効し，2年以上無増悪を維持している症例を経験したため，あわせて報告する． |
| 索引用語 | 胃癌, S-1/Docetaxel療法 |