セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌4)

タイトル 消P-362:

当院における胃癌患者のHER2陽性率とTrastuzumab使用経験

演者 小山田 裕一(松下記念病院・消化器科)
共同演者 安田 知代(松下記念病院・消化器科), 山西 正芳(松下記念病院・消化器科), 酉家 章弘(松下記念病院・消化器科), 沖田 美香(松下記念病院・消化器科), 磯崎 豊(松下記念病院・消化器科), 長尾 泰孝(松下記念病院・消化器科), 野口 明則(松下記念病院・外科), 川端 健二(松下記念病院・臨床検査科)
抄録 【はじめに】胃癌のHER2発現状況についてToGA試験においては,「IHC法3+」または「IHC法2+かつFISH法+」(HER2強陽性)が16.6%と判定された.また,日本人においてもJFMC44試験で同様の結果が報告されている.現在,進行・再発胃癌でHER2過剰発現が確認された場合,分子標的薬Trastuzumab(以下Tmab)の使用が推奨されている.【目的】当院における胃癌患者のHER2発現状況とTmabの有用性を検討する.【対象と方法】対象は2011年5月~2012年11月の間に,当院でHER2検査を実施した胃癌患者50例.「IHC法3+」または「IHC法2+かつFISH法+」をHER2陽性と定義し,全体および背景因子別のHER2陽性率を検討した.また,HER2陽性進行・再発胃癌患者にはTmab治療を行った.【結果】HER2検査を実施した50例の年齢中央値は69歳(45~80),男/女は40例/10例,主占居部位は上部/中部/下部/2領域以上/残胃が6例/8例/20例/13例/3例,肉眼型分類は0型/1型/2型/3型/4型/不明が2例/2例/7例/27例/11例/1例,壁深達度はT1/T2/T3/T4が2例/5例/17例/25例,組織型分類は分化型/未分化型が23例/27例であった.HER2検査標本は,生検/手術で19例/31例で実施し,生検標本個数中央値は4個(2~7)であった.HER2陽性は全体で7例(14%)であり,部位別では上部/中部/下部/2領域以上が33.3%/12.5%/15.0%/7.7%,肉眼型分類別では0型/1型/2型/3型/4型が100%/0%/14.3%/14.8%/0%,壁深達度別ではT1/T2/T3/T4が 100%/20%/5.9%/12%,組織型別で分化型/未分化型が26.1%/3.7%であった.標本別陽性率は生検/手術が10.5%/16.1%であった.HER2陽性進行・再発胃癌5例でTmab治療を行い,内訳はTmab+Capecitabine+CDDPが4例,Tmab+paclitaxelが1例であった.【結論】当院における胃癌全体のHER2陽性率は既報とほぼ一致し,組織型別陽性率も既報と同様に分化型で高い傾向が見られた.また標本別陽性率は,手術検体で高い傾向にあった.
索引用語 HER2, Trastuzumab