セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌5)

タイトル 消P-366:

進行・再発胃癌に対する外来カペシタビン+シスプラチン(XP)療法の検討

演者 木村 豊(市立堺病院・外科)
共同演者 川瀬 朋乃(市立堺病院・外科), 川端 良平(市立堺病院・外科), 今村 博司(市立豊中病院・外科), 中田 健(市立堺病院・外科), 山本 為義(市立堺病院・外科), 福永 睦(市立堺病院・外科), 大里 浩樹(市立堺病院・外科)
抄録 ToGA試験,AVAGAST試験における日本人の解析結果から,カペシタビン(X)+CDDP(P)(+トラスツマブ(T))療法も有用なレジメンであることが報告されたが,標準治療のS-1+CDDP(SP)療法と比較するとデータに乏しい.一方,当院では標準治療であるSP(P:60mg/m2)short hydrationで安全に外来治療を行っている.今回,P:80mg/m2のXP(+T)療法も安全に外来治療が可能か有害事象,特に腎機能の面からretrospectiveに検討した.【方法】2011年4月~2012年12月までにXP(+T)療法を行った進行・再発胃癌で,Ccr(Cockcroft-Gault式)≧50mL/min,PS =0-2,1000ml以上の飲水が可能な16例を対象とした.クリニカルパスに従ってハイドレーション(P投与前日~翌日に1L飲水)を行いXP(+T)療法を行った.体表面積に従ってXは2000mg/m2,Pは80mg/m 2としたが,多次治療Ccr<60mL/minではPを60mg/m 2以下に減量した.Pを標準量80mg/m 2で開始した標準群(5例)と60mg/m 2以下で投与を開始した減量群(11例)について,有害事象(AE),Crの変化,抗腫瘍効果を検討した.【結果】患者背景では,治療歴において標準群で1次治療例が80%,HER2(+)例が80%と多くなっていた.治療コース数の中央値は標準群で4コース,減量群で2コースであった.grade 3の血液毒性の発現率は,標準群20%,減量群11%,grade 3の非血液毒性はそれぞれ20%,22%であった.血清クレアチニン(Cr)は,標準群でgrade 1:1例,減量群でgrade 1:2例,grade 3:1例(造影剤による急性腎不全)であった.外来治療中に入院を要した割合は,標準群で40%,減量群で43%であった.【結語】XP(+T)療法は,PS,腎機能が良好な患者に対してクリニカルパスで情報を共有し十分にハイドレーションを行えば安全に外来治療が可能である.
索引用語 胃癌, 外来化学療法