セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(胃癌5)

タイトル 消P-369:

積極的な集学的治療により長期生存を得た異時性重複癌を伴うStageIV胃癌の4例

演者 町支 秀樹(桑名東医療センター・外科)
共同演者 尭天 一亨(桑名東医療センター・外科), 鈴木 秀郎(桑名東医療センター・外科), 久留宮 隆(桑名東医療センター・外科), 岡田 喜克(桑名東医療センター・外科)
抄録 近年,経口抗癌剤S-1を中心とする新規抗癌剤による化学療法の進歩により進行・再発胃癌においても治療成績が向上してきている.今回,積極的な集学的治療により長期生存を得た異時性重複癌を伴うStageIV胃癌の4例を経験したので報告する.【症例1】62才男性.体中部前壁の3型胃癌 にて胃全摘術を施行.por,T4a, N2,H0,M1PER,StageIV.S-1(80mg/日)を4週2休で開始.術後3年目に右原発性肺癌と診断,肺部分切除(T1N1M0,StageIIIA)と化学療法(TXT+CBDCA)を施行.S-1(80mg/日)を再開し術後9 年1ヶ月目の現在,再発の徴候なく健在.【症例2】75才女性.幽門前庭部前壁の3型胃癌にて横行結腸合併幽門側胃切除術を施行.por,T4a,N3a,H0,M1PER,StageIV.S-1(80mg/日)を2週2休で開始.術後4年目に肝に直接浸潤する残胃癌と診断し残胃全摘術・肝部分切除術を施行.muc,T4b,N0,H0,M1PER,StageIV.S-1(80mg/日)を2週2休で再開し術後6年9ヶ月目に他病死(脳血管障害).【症例3】73才男性.胃幽門前庭部前壁の3型胃癌 にて幽門側胃切除術を施行.por,T4a,N3a,H0,M1PER,StageIV.S-1(80mg/日)を4週2休で開始.術後1年目に左腎癌と診断されRFAを施行.同時に前立腺癌と診断され内分泌療法を施行.S-1は継続服用し術後7年7ヶ月目に他病死(脳血管障害). 【症例4】73才女性.噴門部前壁の1型胃癌 にて胃全摘術を施行.tub1,T4a,N0,H0, M1PER,StageIV.S-1(80mg/日)を1週1休で投与開始.術後4年6ヶ月目にG-CSF産生右腎盂癌と診断し化学療法(GEM+Cis)を施行.SDが得られ術後5年1ヶ月目の現在,健在.【結語】StageIV胃癌術後の異時性重複癌であっても,S-1を中心とした化学療法に加えて積極的な集学的治療を行ったことが良好な予後につながったと考えられた.
索引用語 Stage IV胃癌, 長期生存