セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(その他1)

タイトル 消P-372:

EUS-FNAを用いたGIST遺伝子解析の有用性と問題点

演者 舩坂 好平(名古屋大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 古川 和宏(名古屋大大学院・消化器内科学), 鶴留 一誠(名古屋大大学院・消化器内科学), 山本 富美子(名古屋大大学院・消化器内科学), 松崎 一平(名古屋大大学院・消化器内科学), 横山 敬史(名古屋大大学院・消化器内科学), 菊池 正和(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大附属病院・光学医療診療部DELIMITER名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 EUS-FNA(以下FNA)は消化管間葉系腫瘍(GIST)を術前に確実に確定診断する唯一の検査法であり,その有用性は広く認識されている.また切除不能GISTに対する分子標的薬の効果は変異部位により異なることからFNAによる遺伝子解析は重要な位置を占めると期待される.さらにGISTバイオマーカー研究の発展により遺伝子解析の役割は大きくなると考える.目的: GIST遺伝子解析についてFNAと手術検体を比較し,FNAの有用性および問題点を明らかにする. 対象:2008年10月から2013年1月までに当院および関連病院でGISTを疑いFNAもしくは手術(以下OPE)が施行された粘膜下腫瘍68検体(FNA 28検体,OPE 40検体).うち10検体は重複.方法:抽出したRNA濃度およびOD260/280比を測定.direct sequence法でc-kit変異を解析しReal-time PCR法によりc-kit発現を定量化した.これらをFNAとOPEの2群に分けて比較検討.GISTと非GISTでc-kit発現比較を行い,c-kit発現量によるGIST診断能を検討した.結果: GIST58検体,非GIST10検体(神経鞘腫4例,平滑筋腫3例,膵癌,胃癌,虫垂癌が各1例). 抽出したRNA濃度はFNA 227.5(ng/μl)に対しOPE 1148.0と有意に高く,OD260/280比もFNA1.61に対しOPE1.80と高純度であった.遺伝子変異解析はGIST全例で可能であった.FNAとOPE重複10例は変異が完全一致しており,遺伝子発現も相関していた.c-kit発現はFNA,OPEともに非GISTに比べGISTで有意に高くなっていた.c-kit発現によりGIST診断を行った場合,FNAでは感度95.5%,特異度66.7%であり,OPEでは感度97.2%,特異度100%であった.GIST偽陰性例は2例とも野生型GISTであった.また偽陽性例はRNA純度が低かった.結論:FNAでもGIST変異解析は全例可能である.一方で発現解析はRNA純度に留意して行う必要がある.
索引用語 GIST, 遺伝子