セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(その他1)

タイトル 消P-374:

当院における十二指腸神経内分泌腫瘍(NET(G1))20例の臨床病理学的検討

演者 鈴木 彰(信州大・消化器外科)
共同演者 石曽根 聡(信州大・消化器外科), 奥村 征大(信州大・消化器外科), 竹内 大輔(信州大・消化器外科), 高須 香吏(信州大・消化器外科), 荻原 裕明(信州大・消化器外科), 小出 直彦(信州大・消化器外科DELIMITER長野県立木曽病院・外科), 菅 智明(信州大・消化器内科), 小林 聡(信州大・消化器外科), 宮川 眞一(信州大・消化器外科)
抄録 【目的】十二指腸神経内分泌腫瘍(NET(G1))は一般的に予後良好な疾患とされているが,転移を有する症例をしばしば経験することがある.十二指腸NET(G1)の臨床病理学的因子について検討した.【方法】2002~2012年までの11年間に当院で病理学的に十二指腸NET(G1)もしくはカルチノイドと診断された20例を対象として,臨床病理学的因子について検討した.【結果】20例の男女比は13:7,平均年齢は55.2±12.0歳であった.7例(35%)で多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)を伴っていた.治療は原発巣の大きさや転移の有無,患者の希望により行った.原発巣の大きさは平均9.9±7.1 mmであった.5例(25%)に内視鏡下切除が,8例(40%)に手術が行われ,7例(35%)では原発巣の切除は行われなかった.手術は膵頭十二指腸切除が4例,幽門側胃切除が2例,十二指腸部分切除が2例に行われた.原発巣は5例(25%)で多発していた.原発巣の深達度は17例がsmで,3例でmpであった.リンパ節転移は4例(20%)で認められ,うち3例は原発巣の深達度がmpの症例であった.また,リンパ節転移を有する4例のうち3例で多発肝転移を認めた.20例中,4例で化学療法が行われ,2例にソマトスタチンが,1例でS1が,1例でスニチニブが投与された.20例中2例が原病死されており,いずれも多発肝・リンパ節転移を有していた.診断確定後全生存期間は5年生存率94.7%であった.EMRおよび手術を施行した切除群と原発巣の切除を行わなかった非切除群で比較したところ,両群に有意差は認められなかった(5年生存率 100% v.s. 85.7%; p=0.19).【考察】5例(25%)でリンパ節や肝への転移が認められ,うち2例(10%)が原病死されていたが,5年生存率は切除例で100%,全体で94.7%と良好であった.
索引用語 十二指腸, NET(G1)