セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(その他2)

タイトル 消P-376:

胃石の3例

演者 猪股 英俊(清田病院・消化器科)
共同演者 村松 博士(清田病院・消化器科), 岡本 哲郎(清田病院・消化器科), 長町 康弘(清田病院・内科), 宮島 治也(清田病院・消化器科), 山内 尚文(清田病院・消化器科), 小山 隆三(清田病院・消化器科), 井原 康二(清田病院・消化器科), 西里 卓次(清田病院・消化器科)
抄録 胃石は,比較的希な疾患であるが,高頻度に胃潰瘍や腸閉塞を合併するため,診断された時点で,速やかに除去すべきとされる.また内視鏡治療例が報告されているが,時に難渋する.今回,当院で経験した胃石の3症例を報告する.【症例1】75歳,男性.既往:30年前に十二指腸潰瘍で胃切,B-Ι 再建.主訴:心窩部不快感・腹満感.内視鏡検査にて,7×4cmの胃石を認めた.外殻は,比較的硬かったが,砕石バスケットにて一部破砕したところ,内部は柔らかく鰐口型の把持鉗子にても破砕可能で,両者を併用し,1回の手技にて分割し,一部を回収した.【症例2】65歳,女性.既往:7年前に胃癌で胃切,B-Ι 再建.主訴:心窩部不快感.内視鏡検査にて,4×3.5cmの胃石を認めた.治療目的に入院.入院後の超音波検査でも胃石認めていたが,1週間後に内視鏡検査で胃内から消えており,自然排石されたと考えられた.【症例3】85歳,女性.既往:なし.主訴:胸やけ.内視鏡検査にて,6×3cmの胃石を認めた.初めに,コーラ内服での溶解を試みたが(1リットル/3時間と3リットル/6時間)変化がなかった.そこで内視鏡にフードを装着,スネアとフードとの間で砕石を試みたが割れなかった.コーラを250ml胃内に注入したところ,石の外殻が軟化して割ることができた.その後,分割を繰り返して,全てを回収した.【考察】胃石が柔らかければ砕石は易しいが,硬い場合には治療に難渋する.3例中2例は硬い外殻を認め,症例1では砕石バスケットで,症例3ではコーラ使用後にスネアとフードとの間で砕石に成功した.症例2の術後再建胃では,4×3.5cm大の石が自然排石される事を経験し得た.
索引用語 胃石, 内視鏡治療