セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃・十二指腸(その他2)

タイトル 消P-379:

非ポリポーシス性非乳頭部十二指腸腺腫/癌は胃癌・大腸癌を高率に合併する

演者 丸岡 大介(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
共同演者 新井 誠人(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 小山田 新(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 峯村 荘子(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 坪井 優(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 松村 倫明(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 中川 倫夫(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 勝野 達郎(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
抄録 【目的】ポリポーシス性疾患のない非乳頭部十二指腸腺腫/癌(以下,SNADA)においては,高率に大腸腺腫性病変を合併するという報告が散見される.一方で,胃癌との重複については,これまでにまとまった報告はない.我々はこれまでに,非乳頭部十二指腸高異型度腺腫・粘膜癌における内視鏡的切除術の有効性について報告してきた.今回我々は,SNADAにおける,胃癌・大腸腺腫/癌の合併の頻度について,自験例で検討することとした.
【方法】2007年10月~2013年1月までに当院で内視鏡的切除を行い,最終病理診断で腺腫もしくは腺癌の診断となった,SNADA症例42例(43病変[うち腺腫14病変,癌29病変])について検討した.重複例は癌症例であった.下部消化管内視鏡検査未施行例では,全例で検査を施行した.切除検体もしくは生検病理診断をもって最終診断とした.
【成績】全SNADAにおいて,男性33例,女性9例,平均年齢65.9±12.7(35-83)歳だった.胃癌合併は42例中7例(16.7%)で認められた.いずれも男性であったが有意差はなかった.胃癌合併率は十二指腸腺腫において13例中3例(23.1%),十二指腸腺癌において29例中4例(13.8%)で,有意差はなかった.合併例の平均年齢は72.0歳で,非合併例との間に差はなかった(64.6歳).大腸腺腫/癌の合併については,28例(66.7%)に認め,うち4例(9.5%)で癌であった.男性では大腸腺腫/癌の合併が33例中25例(75.8%)と,女性における9例中3例(33.3%)よりも有意に高かった(p=0.017).大腸癌の合併例では平均年齢が腺腫性病変非合併例と比し有意に高かった(80.8 vs 61.8歳,p=0.015).
【結論】SNADAにおいては,胃癌の合併が多いことが今回分かった.また大腸腺腫性病変合併例においては,大腸癌の合併率も高く注意を要すると思われた.また胃癌,大腸腺腫/癌いずれにおいても男性患者では特に注意を要すると思われた.
索引用語 十二指腸腺腫, 十二指腸癌