セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(基礎)

タイトル 消P-384:

医療用イレウスチューブを用いた小腸内圧測定による小腸運動の検討

演者 成田 賢生(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科)
共同演者 芳野 純治(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 乾 和郎(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 若林 貴夫(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 小林 隆(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 三好 広尚(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 小坂 俊仁(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 友松 雄一郎(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 山本 智支(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 松浦 弘尚(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 鳥井 淑敬(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 森 智子(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 黒川 雄太(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 細川 千佳生(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科), 安江 祐二(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科)
抄録 【目的】機能性消化管障害は小腸運動の障害であるが,運動と疾患の関連は未解明な部分が多い.我々は医療用イレウスチューブを用いた小腸内圧測定により健常者の小腸運動を解析してきた.これまでに小腸に基礎リズムとなる5~6秒周期の律動波が存在し,蠕動運動にかかわる収縮はその強度に依らず30~70秒持続することが分かった.特に静止期であるMMC第1相で安定かつ均一な律動波が存在しまた弱い収縮も存在した.小腸運動が微弱な状態の方が解析に適している可能性がある.今回は小腸運動を静止させ運動の回復過程を作り出すことで律動波や収縮についてさらに検討することを目的とする.
【方法】健常ボランティア男性2名に医療用イレウスチューブ(クリエートメディック社製16Fr3000mmダブルバルーン)をバルーンがTreitz靭帯を超えたところで留置した.安静臥床とした後,臭化ブチルスコポラミン20mgを静脈投与し15分間の小腸内圧を計測した.
【結果】2名の被験者とも臭化ブチルスコポラミン投与後25~50秒で小腸内圧が低下した.1名の被験者では完全に律動波が消失し運動が静止した.静止した状態にも微弱な内圧変化を認めた.その後の回復過程では律動波と収縮が同時に起きていることを確認した.もう1名の被験者では小腸内圧は低下したにも関わらず律動波は消失しなかった.また測定中に収縮と考えられる内圧上昇がなかった.
【考察】2名の被験者では投薬前の小腸運動のパターンが異なっており,投薬後の運動の抑制と回復の差となったと考えられる.律動波が消失した状態での微弱な内圧変化は呼吸による腹圧の影響だった.律動波の出現と収縮が同時に生じており両者は独立した運動でなく共同的な運動であると考えられる.
【結語】 医療用イレウスチューブを用いた小腸内圧測定を小腸運動の基礎となる律動波と収縮について知見を得た.
索引用語 小腸運動, 内圧測定