セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
小腸(臨床1)
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タイトル |
消P-387:単純性イレウスに対する標準的治療指針についての検討
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演者 |
川崎 誠康(ベルランド総合病院・外科) |
共同演者 |
今川 敦夫(ベルランド総合病院・外科), 小川 雅生(ベルランド総合病院・外科), 大場 一輝(ベルランド総合病院・外科), 堀井 勝彦(ベルランド総合病院・外科), 亀山 雅男(ベルランド総合病院・外科) |
抄録 |
【目的】開腹術後イレウス症例のなかには絞扼など手術絶対適応症例もあれば,保存的治療後も複数回イレウスが再燃するなど,相対的な手術適応症例が存在する.今回保存治療が主体となる単純性イレウスにおける標準的治療方針を求める. 【対象・方法】2006年1月~2011年12月までに当科で加療した小腸イレウス305例中,癌性腹膜炎症例を除く261例において,1.保存治療中の単純性イレウスにおける手術移行例の特徴,2.発症回数別のイレウス再発率,についてRetrospectiveに解析し,検討した. 【結果】男:女=136:125 ,平均年齢:66.7歳,単純性イレウス 228例:保存治療例177例(うち91例はイレウス管留置),手術治療51例(うち45例は術前イレウス管留置),絞扼性イレウス:33例.1.単純性イレウスにおいて手術にいたった症例は,保存治療例に比べ嘔吐回数・鎮痛剤使用回数が多く,また平均4.5病日で手術に至っていたが,術前の平均イレウス管排液量は終始450ml/日以上を認めた.2.症例全体のイレウスの平均発症回数は1.53回(1~12)で,発症回数別症例数は発症1回:167例(うち手術治療52例,以下同様),2回:51例(14例),3回:20例(12例),4回:7例(1例),5回4例(1例)であった.保存治療にて軽快した後のイレウス再発率を検討したところ,単回発症例(1回のみのイレウス発症例)で40.7%,以下,2回発症:49.2%,3回:66.6%,4回:69.2%,5回:75%と,回数を重ねるごとにイレウス再発率は高まり,特に3回以上繰り返し発症した患者の3分の2以上が将来再度イレウスになると予測された.【結語】単純イレウス治療においては,嘔吐・鎮痛剤使用回数および発症後4日目までのイレウス管排液量を評価し,目安として排液量が450ml以下への減量が得られない場合,手術治療が妥当であると考えられた.また保存治療にて改善後もイレウスを繰り返す症例については,発症回数が3回以上の症例が相対的な手術適応があると考えられた. |
索引用語 |
小腸, イレウス |