セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床1)

タイトル 消P-389:

Meckel憩室に起因したイレウス3例の臨床的検討

演者 前橋 学(福井県立病院・外科)
共同演者 西田 洋児(福井県立病院・外科), 石橋 玲子(福井県立病院・外科), 松永 正(福井県立病院・外科), 石山 泰寛(福井県立病院・外科), 浅海 吉傑(福井県立病院・外科), 平能 康充(福井県立病院・外科), 前田 一也(福井県立病院・外科), 宮永 太門(福井県立病院・外科), 道傳 研司(福井県立病院・外科), 服部 昌和(福井県立病院・外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院・外科)
抄録 【はじめに】卵黄腸管の遺残であるMeckel憩室は時に種々の合併症を来すことがある.当院にて過去5年間に経験したMeckel憩室に起因したイレウス3例について臨床的に検討した.【対象】2008年3月から2013年3月までにMeckel憩室に起因した絞扼性イレウス3例に対して年齢,性別,術前画像診断,イレウスの原因,手術時間,出血量,術後在院期間について検討した.【結果】平均年齢は63.6歳(48-86歳).男性2例,女性1例.2例で緊急手術,1例で待機手術を施行した.いずれの症例も術前に造影CT検査を施行したが術前の診断では1例は腸重積,1例は絞扼性イレウス,1例は癒着性イレウスの診断であり術前にMeckel憩室と診断された症例はなかった.またイレウスの原因も3例で異なり1例はMeckel憩室が先進部となった腸重積であり,1例は巨大なMeckel憩室が物理的な重みにより腸間膜の回転を生じ絞扼性イレウスを生じていた.もう1例はMeckel憩室周囲に高度の癒着を生じ同部位による癒着性イレウスを生じていた.平均手術時間は99分(66-119分),平均出血量は18ml(5-35ml),術後在院期間は15-24日であり1例は術後18日目で現在も入院加療中である.【考察】Meckel憩室の診断には99mTcO4シンチが有用とされるがイレウスといった急性腹症として発症する場合には時間的猶予がなく緊急手術となることも少なくない.また超音波検査,造影CT検査ではイレウスによる腸管拡張によって憩室の同定が困難なことも術前画像診断の困難な原因としてあげられる.【結語】当院にて経験したMeckel憩室に起因したイレウス3例について臨床的に検討した.術前画像診断の困難さが課題としてあげられるが,イレウスの診療にあたってはMeckel憩室も念頭において診療にあたる必要があると考えられた.
索引用語 Meckel憩室, イレウス