セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸(臨床1)

タイトル 消P-391:

肺癌小腸転移の臨床病理学的検討

演者 遠藤 佑香(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
共同演者 田畑 拓久(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 千葉 和朗(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 原 精一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 来間 佐和子(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 桑田 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 崇(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 江頭 秀人(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 荒川 丈夫(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 神澤 輝実(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 松本 寛(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 岩崎 善毅(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 堀口 慎一郎(がん・感染症センター都立駒込病院・病理科), 比島 恒和(がん・感染症センター都立駒込病院・病理科), 小泉 浩一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
抄録 【目的】肺癌小腸転移は肺癌に対する化学療法や小腸内視鏡検査の進歩により,近年報告が増加している.当院で経験した肺癌小腸転移について臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象・方法】1998年5月から2012年12月までに生検または切除標本で肺癌小腸転移と診断された9例を対象とし,臨床所見,診断過程,形態的特徴,治療および生存期間について検討した.【結果】全例男性で,平均年齢は55.1歳(46~64歳).転移部位は十二指腸3例,空腸6例,回腸1例.主訴は腹痛4例,嘔吐3例,血便1例,下痢1例,便柱狭小化1例であった.肺癌の診断から小腸転移出現までの期間は平均21か月(3~90か月)であり,2例は肺癌と同時に診断された.肺癌の組織型は腺癌5例,大細胞癌3例,その他1例であった.小腸転移の肉眼形態は全例とも中心部に辺縁整の潰瘍を伴う粘膜下腫瘍様病変として観察され,3例は上部内視鏡またはシングルバルーン小腸内視鏡検査にて生検診断が得られた.2例はCTの小腸壁肥厚にて発見され,うち1例はカプセル内視鏡検査で腫瘍が確認された.また,閉塞解除や症状緩和目的に9例中7例で手術が行われた.小腸転移の診断からの生存期間は,切除例で平均102日(腸閉塞・穿孔例:81.4日,症状緩和目的の待機的手術例:155日),非切除例で65.5日であった.【結語】肺癌小腸転移は出血,穿孔,腸閉塞を契機に診断されることが多く,有症状例や緊急手術例は予後不良とされる.症状出現前に診断,治療を行うことは予後改善に繋がる可能性があり,肺癌の経過中に貧血や消化管壁肥厚などが見られた場合には小腸転移の可能性を考え,内視鏡検査などの小腸検索を検討すべきと考える.
索引用語 肺癌小腸転移, 小腸内視鏡